交際費課税:会費・参加料がない場合の交際費額
※2020年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
金曜の本メルマガでは交際費課税について
シリーズで解説していますが、今回は
前回(先週)取り上げた逆のパターンで、
会費・参加料がない場合の交際費額です。
前回は、イベント等を主催した際に、
会費・参加料を明示・徴収している場合は、
交際費計上額=総支出額-会費・参加料
の「実際に負担した」金額を交際費として
計上すればいいと解説しました。
一方で、会費・参加料を明示してない場合で、
参加者から「祝い金」などを受け取ったら
どう処理するのかが今回の論点です。
よくある例は「会社設立○○周年パーティー」
「移転記念会」「新社長就任祝い」
などが挙げられます。
パーティー・会の主催者(社)が従業員
のみならず、顧客・取引先などを【無料で】
招待する場合であっても、このような会では
招待された参加者が祝い金を持参する
こともあるわけです。
パーティー・会の総支出額が300万円で、
祝い金を計100万円受け取った場合で
考えると、交際費計上額が
A 300万円-100万円=200万円
もしくは
B 300万円(100万円は雑収入)
のどちらになるか、という論点です。
この論点に関しては、平成3年10月11日の
最高裁判決で上記Bとして処理すると
判断されています。
判断の基準は、会費・参加料が事前に
明示されているかどうかで、されていない
場合に受け取った祝い金などは、あくまでも
パーティー・会に対する負担ではない、
という考え方になります。
ですから、大規模・高額なパーティー等を
開催する場合で、年間交際費額が800万円を
超えると想定できるのであれば、祝い金として
善意で収受するより、参加料を事前に明示して
一律で徴収した方が節税にはなります。
また、参加料を徴収して交際費計上額を
減らす場合の税務調査対策としては、
開催したパーティーや会の案内を
残しておくべきでしょう。
来週金曜の本メルマガでは、交際費で
最もモメやすい、情報提供料・リベート・
キックバックについて解説します。
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