令和6年度税制改正大綱公表(住宅取得等資金贈与)
※2024年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「令和6年度税制改正大綱公表(住宅取得等資金贈与)」です。
まずは、以下P49,P50をご確認ください。
自民党HP:令和6年度税制改正大綱
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/207233_1.pdf
令和6年度税制改正大綱において
「住宅取得等資金贈与(措法70の2)」につき
1.適用期限の延長
2.非課税限度額の上乗せ措置の要件厳格化
が示されました。
前回まで2回にわたって歴史的変遷を
確認してきました。
住宅取得等資金贈与は
平成21年度にリーマンショックの
経済危機対策として創設され、
数回の税制改正を経て
令和5年12月31日まで期間延長が
されてきました。
今回、令和6年度税制改正大綱公表を経て
令和6年1月か2月に国会に提出されるであろう
「所得税法等の一部を改正する法律案」にて
内容が盛り込まれる想定です。
1.適用期限の延長
令和6年1月1日から令和8年12月31日まで
3年延長される予定です。
2.非課税限度額の上乗せ措置の要件厳格化
現行:省エネ等住宅
(1)省エネ住宅(以下のいずれかの住宅)
・耐熱等性能等級4
・一次エネルギー消費量等級4以上
→ 後者は平成27年度税制改正により導入
(2)耐震住宅(以下のいずれかの住宅)
・耐震等級2以上
・免振建築物
(3)バリアフリー住宅
高齢者等配慮対策等級3以上
改正案:(2)(3)変更なし
(1)省エネ住宅(以下のいずれも満たす住宅)
・耐熱等性能等級5
・一次エネルギー消費量等級6以上
★実務上のポイント
・等級の上昇
・双方の等級を満たす
■施行日
令和6年1月1日以後に贈与により取得する
住宅取得等資金に係る贈与税について
適用される予定です。
2ー2.経過措置の存在(大綱P50(注2))
上記2の改正案により、
令和6年1月1日以後の
住宅取得等資金贈与については
・耐熱等性能等級5
・一次エネルギー消費量等級6以上
の2つを満たす必要が生じることになりますが、
令和6年1月1日以後の
住宅取得等資金贈与であっても、
救済措置としての経過措置が設けられる
ことになりそうです。
具体的には、以下の全てを満たす必要があります。
1.令和6年1月1日以後の住宅取得等資金贈与
2.住宅用家屋の新築 又は
建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得
3.以下のいずれかを満たす
・耐熱等性能等級4
・一次エネルギー消費量等級4以上
4.以下のいずれかに該当
(1)令和5年12月31日以前に
建築確認を受けているもの
(2)令和6年6月30日以前に
建築されたもの
であれば、
令和6年1月1日以後の住宅取得等資金贈与
であったとしても、
・耐熱等性能等級5
・一次エネルギー消費量等級6以上
の2つを満たさないケースにて
住宅取得等資金贈与の適用要件を満たすことが
可能となる場合があります。
詳細は法律案などの確認が必要になりますが
実務的には、法案成立前に
令和6年1月1日以後での
住宅取得等資金贈与を実行する
場面があるため、注意を要します。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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