修正申告に対する更正の請求の期限
(2013年7月3日の記事です)
7月3日。国税内で異動の辞令が発令される日です。
国税職員にとっては一大イベントなのです。
内部の人間からたくさんの異動情報が届くのが楽しみです。
さて、2013年から税務調査の手続きが変わったことにより、
私も様式を見たことがなかったり、税務署・調査官によって
取扱いに差があったりして、正直困るケースがあります。
今回のテーマは「修正申告に対する更正の請求の期限」です。
国税通則法では第74条の11第3項において、
税務調査の結末としての修正申告をこのように定めています。
3 前項の規定による説明をする場合において、
当該職員は、当該納税義務者に対し修正申告又は
期限後申告を勧奨することができる。この場合において、
当該調査の結果に関し当該納税義務者が納税申告書を
提出した場合には不服申立てをすることはできないが
更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、
その旨を記載した書面を交付しなければならない。
この規定にあるように、修正申告を提出する際には、
調査官は「更正の請求をすることはできる」と
説明しなければならないのですが、その期間について
勘違いしている税理士が多くいます。
まず前提として、修正申告を提出しても、
その内容に誤りがあって税額が過大であれば
更正の請求を提出することができます。
では、このようなケースはどうでしょうか?
【例】
3月決算法人・5月末申告の法人に税務調査が入った。
今年6月に、平成23~25年3月期の3年分
修正申告を提出したが、今月になってその内容に
誤りを発見し、税額の還付を受けたいと考えている。
更正の請求はできますか?
答えは・・・できる期とできない期があります。
(あくまでも更正の請求の話です)
まず、更正の請求は
・平成23年12月2日以降に法定申告期限が到来するもの
⇒ 法定申告期限から5年以内
・平成23年12月1日以前に法定申告期限が到来したもの
⇒ 法定申告期限から1年以内
という請求期間となっています。
ここで勘違いしやすいのは、修正申告を提出したのだから
その日から5年もしくは1年以内であれば更正の請求が
できると判断することですが、これは誤りです。
修正申告には、法定申告期限はありません。
(「納期限」は提出日になります)
ここがポイントです!
ですから、更正の請求ができるかどうかは
当初申告の法定申告期限だけで判断することになります。
(修正申告の提出は何の影響も与えないということです)
以上から、上記例の答えは、
平成23年3月期:できない(法定申告期限から1年超)
平成24年3月期:できる(法定申告期限から5年以内)
平成25年3月期:できる(法定申告期限から5年以内)
となるわけです。
調査官は、修正申告提出時に「更正の請求をすることはできる」
ことは言ってくれるかもしれませんが、その期間までは
教えてくれません。ぜひ注意してください。
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2013年7月当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。