再調査はどこまでの範囲か?
※2015年4月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
以前、本ブログで「再調査」の規定を解説しましたが、
その範囲について勘違いしている方が多いので、
どこまでが再調査なのか、範囲を解説します。
まず、前提となる再調査の法律規定の確認です。
国税通則法第74条の11第6項
6 第1項の通知をした後又は第2項の調査の結果につき
納税義務者から修正申告書若しくは期限後申告書の提出
若しくは源泉徴収による所得税の納付があつた後若しくは
更正決定等をした後においても、当該職員は、新たに
得られた情報に照らし非違があると認めるときは、
第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)
の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書若しくは
期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による
所得税の納付をし、若しくは更正決定等を受けた
納税義務者に対し、質問検査等を行うことができる。
この規定により、一度税務調査が終了すると、
「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」
以外は、再度調査することができないことを定めています。
再調査に該当するのは、
・同一納税者に対する
・同一税目で
・同一課税期間の
税務調査が要件となります。
例えば、個人課税部門が所得税の調査をした後、
同一年分について資産課税部門が譲渡所得の
調査をすることは、再調査に該当します。
また法人の調査で、連結納税のため国税局の
連結納税担当が調査に入り、連結関連部分を調査し、
組織再編部分を調査されないとすると、
組織再編部分だけを後日別途調査するためには、
再調査の規定に従う必要があるということです。
裏を返すと、似たような場合でも、再調査に
該当しない場合はどのようなケースでしょうか。
4つのケースが考えられます。
①帳簿だけを確認する場合
今回の調査のために、前回の調査対象期間の
帳簿だけを確認するような場合です。
例えば、今回3期分の調査があり、
4~6期前はすでに調査を受けている場合、
今回の3期分の調査のために、4期前の
帳簿を見るというのはアリということです。
②反面調査の場合
反面調査は、納税義務者に対する質問検査権には
該当しないので、同じ年分に対して以前反面調査を
受けていたとしても、再調査には該当しません。
③意見聴取の場合
税理士への意見聴取の結果、調査に移行しない旨の
通知を受けている場合は、調査を受けていないので
再調査には該当しません。
④行政指導の場合
税務署からの連絡で誤りを指摘され、
修正申告等を提出していたとしても、
行政指導に該当する(調査ではない)限りは、
再調査には該当しません。
再調査には要件があること、そして
似て非なるケースも覚えておいてください。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。