印紙税の貼付漏れ指摘を受けたら
今回のテーマは『印紙の貼付漏れ指摘を受けたら』です。
以前、弊社開催のセミナーで、少し話が脱線しながらも
お話ししたら多くの税理士にビックリされた内容があります。
それが今回の『印紙税の貼付漏れ指摘を受けたら』。
最近の税務調査では印紙税の同時調査が基本となっています。
これは2000年前半まで”ずさん”だった印紙税について、
2000年中頃から調査対象として強化しているものです。
以前は税務署の中でも、印紙税は法人課税第1もしくは2部門の
内部仕事だと縦割りにされていましたが、現在では
調査官にも印紙税に関する現場研修も行われています。
調査官としては、税務大学校で行われる研修で、
印紙税法をあまり勉強しないので、知識がない場合も
現場ではかなり見受けられますが…
税務調査で契約書・領収書をチェックされ、
印紙の貼付漏れが指摘されることはよくあることです。
印紙に関しては会社任せにしていて、
税理士としては事前にチェックできていないことも多いかと。
印紙税法第20条第1項では、印紙の貼付漏れがあった場合の
過怠金は、納付しなかった印紙税の額+2倍の金額、
つまり納付すべき印紙税の3倍となると規定されています。
しかし税務調査の現場では、この規定はあくまでも建前として
運営されていることが多く、本当のところは違います。
税務調査で印紙の貼付漏れを指摘されても、
実務上は『印紙税不納付事実申出書』を提出することで、
10%の過怠金(つまり通常の加算税と同じ)で
調査官も納得することがほとんどなのです。
【 印紙税不納付事実申出手続についてはこちら 】
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/inshi/annai/23120080.htm
セミナーではいつもお話ししている通り、
調査官は『増差所得』で評価されているため、
法人税・所得税の否認が基本の仕事。
(増差税額ではありません)
印紙税の非違項目をとれたからといっても、
直接自分の評価になるわけではありませんし、
ましてや過怠金の多寡は何ら関係がありません。
(重加算税は全く別です)
税務調査の事前告知があった時点で、事前に印紙の貼付をチェックするのが
税理士としての仕事ではありますが、もし貼付漏れがあった場合…
調査官には税理士から
「印紙税不納付事実申出書を提出して自ら納付しますね」と言って、
過怠金を少額(10%)に抑えるのが重要な交渉だといえます。
※2010年10月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。