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2026.01.22

1320取引相場のない株式評価に関する検討(6) ~純資産株価~

※2024年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

テスト 土橋 さん、おはようございます。
税理士法人レディングの木下でございます。

今回のテーマは、
「取引相場のない株式評価に関する検討(6) ~純資産株価~」です。

前回は、相当の地代を収受している場合における
純資産株価における実務上の盲点を検証しました。

今回は、相当の地代に満たない地代を収受している場合
における純資産株価を検証します。

以下の例は、「実際の地代」「被相続人」以外は
前回と全て同じ設定です。

例:
土地所有者:個人(社長)
建物所有者:法人
借地権の設定:平成15年
無償返還届出:未提出
評価対象地の借地権割合:60%
通常の地代:240万円
相当の地代:600万円
実際の地代:360万円
土地の自用地価額:1億円(※)

※借地権設定時から不変

権利金の授受:無
被相続人:社長
株式所有者:社長100%

(1)借地権設定時
原則として、
権利金の認定課税がなされることになります。

借地権評価額は以下に基づきます。

法人税基本通達13-1-3
(相当の地代に満たない地代を収受している場合の権利金の認定)
土地の更地価額×(1-実際の地代/相当の地代(法基通13-1-2))

法人税基本通達13-1-2(使用の対価としての相当の地代)
こちらで相当の地代を規定していますが、
実際には以下通達で修正をしています。

個別通達:法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/890330/01.htm

1億円×(1-360万円/600万円)=4,000万円

ただし、法人側で認定課税がなされず
除斥期間(申告期限の翌日から5年)を
迎えてしまっている状況もあり得ます。

(2)被相続人の相続発生時
借地権設定時から土地の自用地価額は不変であるため、
相続発生時までに自然発生借地権は生じていません。

借地権評価額は以下のとおりです。
個別通達:相当の地代を支払っている場合等の
借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/850605/01.htm

4 相当の地代に満たない地代を支払っている場合の借地権の評価

自用地としての価額×
(借地権割合×(1-(実際の地代-通常の地代)/(相当の地代-通常の地代)))

1億円×60%×
(1-(360万円-240万円)/(600万円-240万円)))
=4,000万円

また、貸宅地の評価額は以下のとおりです。

7 相当の地代に満たない地代を収受している場合の貸宅地の評価

自用地としての価額 - 借地権価額(上記4)=6,000万円

土地について賃貸借契約を締結していますので
相続税実務としては、当該貸宅地につき、
小規模宅地等の特例適用
(特定同族会社事業用宅地等、貸付事業用宅地等)
を続いて検討することになります。

さらに、純資産株価に借地権4,000万円を
計上する必要があります。

根拠は同通達7によります。
7 相当の地代に満たない地代を収受している場合の貸宅地の評価

―――
・・・。
なお、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し
土地を貸し付けている場合には、43年直資3-22通達の
適用があることに留意する。この場合において、同通達中
「相当の地代」とあるのは「相当の地代に満たない地代」と、
「自用地としての価額」とあるのは「地代調整貸宅地価額」と、
「その価額の20%に相当する金額」とあるのは
「その地代調整貸宅地価額と当該土地の自用地としての価額の
100分の80に相当する金額との差額」と、
それぞれ読み替えるものとする。
―――

次回も引き続き、純資産株価に関する検証を行います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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