嘱託の調査官
※2012年8月の当時の記事です。
事務年度が変わったばかりのこの時期の税務調査では、
1つだけ困ることがあります。
それは、調査官の職歴がわからないこと・・・
以前から私がすすめています「10年職歴」ですが、
http://www.zeikei-news.co.jp/goods_ten.html
10月上旬から発行なので、実際に手許に届くのは
早くても10月下旬くらいになります。
(2011年は弊社に届いたのが10月下旬でした)
ただ調べてみると、5年職歴のWeb版があるみたいで、
そちらならすぐに見れるようです。
http://www.zeikei-news.co.jp/goshoku.html
私はとりあえず「異動速報」があるので
現在はそちらで対応するようにしています。
さて、ここでおかしな経歴の調査官が出てきます。
10年職歴を見ると、ここ2~3年は調査官なのですが、
その前がずっと「統括官」や「特官」の職歴の方です。
中には、数年前は「税務署長」の職歴で、なぜか
現在は調査官という人までいるから驚きです。
(国税の中でもかなりの噂になっているようです。
上司である統括官があまりにかわいそうだと・・・)
この方々は何も、不祥事などを起こして降格したのではありません。
通称「嘱託(しょくたく)」と呼ばれる調査官なのです。
嘱託とは、国税を定年退職し、その後嘱託職員として
調査官になり税務調査を行う人をいいます。
嘱託の調査官は、週5日フル出勤しているわけではないので、
調査日以外で税務署に電話すると、不在のことが多いです。
嘱託の制度ですが斡旋や天下りがなくなり、
税理士として独立しても飯が食えないことから、
年金を満額受給できる65歳まで雇用を継続することで、
調査官の人数を確保しようというのが狙いのようです。
この嘱託の調査官が担当であれば、
かなりの確率で「当たり」です。良い意味で、です。
なぜなら、嘱託の調査官には「税務調査の件数ノルマ」も
なければ、「増差所得による評価」もありません。
(実際に件数だけはこなすと思いますが)
もう定年になった人です。評価などありません。
さらに、現場から相当期間離れている方々です。
自ら「税法に詳しくない」と漏らす人までいるようです。
評価もなければ、細かいことはわからない、
そして「大人」となれば、大事故にはなりにくいです。
嘱託の調査官かどうかわかるだけでも、
担当調査官の職歴を調べる価値があります。
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2012年8月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。