嘱託の調査官を見分ける方法・見分けられないケース
※2020年7月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務署内は7月10日で異動があったので、
今事務年度の人事については早いものだと
「異動速報」などで情報を得ることができます。
税務調査の事前通知があった際には
まずやるべきこととして、調査官の職歴を調べ、
その傾向を対策しておくことになるわけですが、
特に「嘱託(再任用)」の調査官かどうかは、
調べておく価値があるでしょう。
「嘱託(再任用)」とは、60歳で定年を
迎えた職員が、60歳を超えても数年は
調査官として働くことを指しています。
嘱託の調査官の場合、すでに定年退職している
ことから、一般の調査官とは違って
「評価」(昇進・昇給)というものがなく、
税務調査が甘くなりがちです。
税務調査を受ける側からすると、
嘱託の調査官であれば「当たり」
と言えるでしょう。
ただし、嘱託の調査官であっても、事前通知
の際には一般的な調査官と同じく、
所属部門と名前と告げるだけであって、
「嘱託です」とは言ってくれません。
また職歴を調べても、定年退職の事実や
嘱託の記載はありませんから、表面上
見分けることが難しいといえます
(見た目や声の感じから60歳超である
と推察することになります)。
嘱託であることを見分けることができる
ケースとして下記が挙げられます。
●統括官以上で退官し嘱託になった場合
⇒
「上席」もしくは「調査官」になっていれば
嘱託だと判断できます
※職歴上は降格に見えますが、税務署には
原則として降格はありません
●上席で退官し嘱託になった場合
⇒
「調査官」になっていれば
嘱託だと判断できます
※定年まで(上席にはなれずに)「調査官」
のままということは原則としてありません
総じていうと、職歴を見て降格になっている
場合は「嘱託になった」と判断できます。
ただし、職歴から見分けられないケースも
あって、上席で退官し嘱託になったが、
「嘱託でも上席」(のまま)という場合です。
このケースでは、職歴を時系列で追っても、
職格が変わっていませんので、
嘱託と認識することはできないでしょう。
職歴から嘱託であることを100%
見抜けるわけではないですが、その多くは
上記のように「降格しているように見える」
という基準で判別できますので、
ぜひ職歴と見合わせながら判断してください。
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