国家公務員法を知る
通常この時期(2012年7月11日現在)は税務調査が行われていないのですが、実は今日も相談事案が入っています。
調査担当者が変わったり、重加算税・青色取消を
チラつかされているという相談なのですが、
この時期の相談ですから、税理士もかなり大変です。
さて、重加算税・青色取消を典型例として、
事務運営指針が出されているものに関しては、
これを知っているだけで反論は楽になります。
なぜ「反論が楽になる」のでしょうか?
それは、事務運営指針は「調査官が
守らなければならない規則」だからです。
ここで注意が必要なのは、「守った方がいい規則」でも
「守るべき規則」でもないということです。
あくまでも、「守らなければならない規則」です。
通達も同じです。
通達は上位官庁が下位官庁に対して出す命令・規則なので、
調査官は全員守らなければなりません、
事務運営指針や通達などのように、国税職員が
守らなければならない規則を「内規」と呼んでいます。
内規には上記の他、個別通達や税務運営方針、
事務提要などが含まれます。
これらはすべてではないにせよ、
情報開示法に基づく請求をすることができます。
私は常々、上記のように調査官が「守らなければならない規則」
について税理士の皆さんにお伝えしているのですが、
その根拠は「国家公務員法」です。
国家公務員法105条(職員の職務の範囲)
職員は、職員としては、法律、命令、規則
又は指令による職務を担当する以外の義務を負わない。
この規定から明らかなように、公務員は法律だけではなく、
担当の命令や規則を守らなければなりません。
調査官によってみれば、事務運営指針や通達などです。
これは「義務」なのです。
国家公務員法98条(法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止)
職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、
且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
公務員は法律のみならず、上司の命令が絶対です。
国家公務員法82条(懲戒の場合)
職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し
懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
そして、「職務上の義務」=「内規を守る」ことを
しなければ、懲戒処分の対象にもなるのです。
調査官は税務署の職員であり、
国税庁に所属する公務員です。
公務員法を示し、守らせることもまた、
税務調査の対応で必要な行動なのです。
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2012年7月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。