国家賠償法を求めるケースとは?
今回のテーマは『税務調査の国賠 -①- 』です。
私は、セミナーなどでよく
「調査官が違法なことをしたら国賠にかけましょう」と言います。
では具体的にどのような場合が
「国賠対象になるのか?つまり違法行為にあたるのか」を、
今回から数回わたって書きたいと思います。
日本国憲法17条には、
『何人も、公務員の不法行為により、
損害を受けたときは、法律の定めるところにより
国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。』
と定めています。
ここから憲法の附属法令として
国家賠償法が制定されたのです。
国家賠償法は全部で6条の短い法律で、
特に重要なのが第1条です。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO125.html
つまり納税者は、国税調査官の違法な公権力の行使によって
受けた損害を国を相手に賠償請求できるわけです。
ただしその損害が調査官の故意または過失
によるものであることが必要です。
典型的な例としては、調査官が納税者の許可なく
敷地に入るケースがあります。
任意調査である以上、納税者の敷地に無断で入る行為は許されません。
実際の裁判では、止め金を外して納税者の事業所に
勝手に立ち入った税務調査として国賠がかけられており、
当然国税側が敗訴しています。
(最高裁昭63.12.20判決)
税務調査の”適法性がどのラインにあるのか”を正確に理解し、
違法性が高い場合は国賠を辞さない考えが必要です。
※2011年1月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
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