2018.06.07

専科と普通科の違い

※2017年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

私への質問・相談の中で常に多いのは、
「調査官の経歴から傾向を知りたい」というものです。

今回は、調査官の経歴の中でも、
「専科」と「普通科」の違いに関して解説します。

調査官は大きく2つの採用枠に分かれています。

(1)国税専門官採用:大卒のいわゆる「専科」

(2)税務職員採用(旧国家公務員採用3種試験(税務))
:高卒のいわゆる「普通科」

OB税理士などの会話でわかるかと思いますが、
国税内は調査官を「期別」で判断しています。

例えば私は、2001年に国税に入っていますので、
「専科31期」という代になります。
同じ年の普通科は「普通科61期」です。

(1)(2)ともに、「(大蔵)事務官」という官職から
スタートすることになります。

【専科のキャリア】

採用(4月)
⇒ 基礎研修(4月〜7月)
⇒ 税務署への配属(8月)
⇒ 3年間の実務
⇒ 専科研修(8月〜2月の7ヵ月)
⇒ 国税調査官になる

※専科研修までの実務「3年」は期によって異なり
私(31期)は1年しかありませんでした

【普通科のキャリア】

採用(4月)
⇒ 基礎研修(4月〜3月の1年)
⇒ 税務署への配属(4月)
⇒ 6年間の実務
⇒ 研修
⇒ 国税調査官になる

また、普通科の場合、その後のキャリアとして
「本科研修」というものが存在します。

普通科は調査官になってから、
10年未満、かつ40歳未満の条件で
本科研修を受講するための試験を受け、
合格すれば本科研修を受講することになります。

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenshu/honka.htm

本科研修は誰しもが受講するものではなく、
希望者が試験を受けて合格しなければ受講できません。

ただ、本科研修を終了しなければ、
将来的な税理士免許が与えられず、
また昇進にも影響しますので、
受験しない普通科の調査官はほぼいません。
(受験しても受からない調査官はいます)

国税の職歴を見ると「本科」と載っているのは、
上記研修を受講した経歴です。

一方で、専科研修は受講資格がないため、
自動的に受講することになります。

各研修内容等は下記に載っています。

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenshu/shiteikenshu/index.htm

その後のキャリアは、いつ「上席」
になるのかで昇進度合いがわかります。

専科と普通科は当初からステップが違います。
ぜひ知っておいてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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