• HOME
  •  › ブログ
  •  › 平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要
2016.05.02

平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要

※2014年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

毎年国税庁から発表されている、税務調査の状況(数字)

「平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要」

https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/hojin_chosa/pdf/hojin_chosa.pdf

今日のブログでは、発表された内容から
把握しておくべき点をまとめて解説しましょう。

なお、「平成25事務年度」とは、
平成25年7月~平成26年6月を指しています。

①調査の件数は減っている

国税通則法の改正で調査手続きが煩雑になった影響により、
平成25年以降に行われる税務調査の件数が激減したのですが、
直近でもさらに減っています。

おそらくこのあたりで下げ止まり、
今事務年度も同じ程度の件数になるものと思います。

②実地調査率

平成25事務年度の法人申告件数が約270万社であることから、
実地調査率は「約3.3%」であることがわかります。

実地調査率は過去最低の数字となっており、
国税側は今後ますます、実地調査率を
上げる方策を考えてくるものと思われます。

100法人あっても、年間に3件程度しか
税務調査を実施できていないのですから、
客観的に考えても相当に問題です。

③不正発見割合

私が毎年もっとも気にしているのが「不正発見割合」。
税務調査における重加算税の賦課率なのですが、
前事務年度から上昇し、18.6%となっています。

前事務年度までは、20%超から毎年下がっていたのですが、
ここにきて微増したことになります。

私は個人的に、この数字はまだまだ異常に高いと思います。
約2割もの会社が「仮装・隠ぺい」行為をしているとは
到底考えられないからです。

④無所得申告法人に対する調査

このあたりが統計的に見ると面白いところでしょう。
全体として、91千件の税務調査を実施しており、
所得が出ていない=赤字法人に対する調査を35千件
しているわけですから、法人の調査全体で考えると、
38%の調査が赤字法人を対象にしています。

もちろん、赤字法人が全体の約7割超ですから、
赤字法人に調査が入りにくいのは間違いないでしょうが、
赤字法人に対する不正発見割合が22.8%と、
普通より高いことも注目すべきでしょう。

⑤公益法人に対する調査

ちょっと意外だったのが、公益法人に対する調査件数が
かなり減っているという事実です。

法人・消費税はともかく、源泉の調査まで減っているのですから
国税側も公益法人への調査を減らす方向性なのでしょう。

なお、法人に対する税務調査について解説しましたが、
個人に対する税務調査に関しては
こちらに載っていますので、ご覧ください。

「平成25事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」

https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/shotoku_shohi/index.htm

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。