必要経費の原則的な考え方
※2020年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
今回は、所得税における必要経費の
考え方(概要)を解説します。
かなり「お勉強的」になりますが、原則的な
考え方がない限り応用はききませんし、
次回にも繋がる内容となっていますので、
全体的な流れを重視してお読みください。
まず、所得税法第37条において必要経費は、
「これらの所得の総収入金額に係る売上原価
その他当該総収入金額を得るため直接に要した
費用の額及びその年における販売費、一般管理費
その他これらの所得を生ずべき業務について
生じた費用の額とする」
とされています。
この条文を受けて、家事費は必要経費にならない
と定めたのが下記の条文です。
所得税法第45条(家事関連費等の必要経費不算入等)
居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、
その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、
山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、
必要経費に算入しない。
一 家事上の経費及びこれに関連する経費で
政令で定めるもの
ここでいう政令とは所得税法施行令第96条で、
必要経費になる家事関連費を
「業務の遂行上必要であり、かつ、
その必要である部分を明らかに区分することが
できる場合における当該部分に相当する経費」
と規定しています。
個人事業主の場合、業務のため支出なのか、
生活費の一部なのか区分が難しい経費が多い
わけですが、明確にできない支出は
原則として必要経費にならないわけです。
また、自宅家賃や車の減価償却費のように、
家事費と按分計算のは、「明らかに区分する」
ことを明示するためでもあります。
少し話は逸れますが、過去のメルマガで
必要経費をあえて削って申告する有効性に
ついて解説したのが下記です。
また、個人事業主の会費については
必要経費とされないケースが多いのですが、
それについては下記私のコラムをご覧ください。
次回は、施行令第96条
を判定する基準(通達)について
掘り下げて解説します。
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