悪徳経営コンサルタントの実態
今回は、『悪徳経営コンサルタントの事態』がテーマです。
前回、B勘屋についてお話をさせて頂きました。
B勘屋はなかなか表には出てきません。
税務署としてもいつも頭を悩ませてきたわけですが
私の同僚が偶然それらの業者を発見したことがあるのです。
聞くところによると、ある会社の税務調査に入った際
いくつかの見慣れない領収書を発見したそうです。
彼は、元々は税務署内での内部事務を担当していました。
殆どの税務署では、『税務調査』と『内部事務』は
それぞれ専任で行っており、彼は事務方の経験が長かったのです。
この地区の企業をほぼ把握するほどの優れた記憶力の持ち主でした。
不審な領収書を見つけた彼は、税務署に戻ると
早速、確認作業を行いました。
領収書の宛名にある会社に電話をしたみたが繋がりません。
住所を訪ねてみたものの、その会社は見つかりません。
さらに法務局で調べたところ、やはり該当する会社は
存在しないことが判明しました。
次の日、調査先の経営者を問い正したところ、あっさりと自白したそうです。
「ニセの領収書を、ある経営コンサルタントから買った」と。
経営コンサルタントとは名ばかりで、この業者は明らかにB勘屋です。
そのコンサル会社の場所も突きとめ、ニセの領収書も発見。
業者の顧客リストから、ニセ領収書を買った企業を芋づる式に摘発できたのです。
これは非常に稀有なケースで、何十年に一度の出来事と言って良いでしょうね。
また、別のB勘屋にこんな手口もありました。
ある企業が不正に得た裏金を、何とか表に出せる金にしたいと業者に依頼。
業者は、1等3億円が当選した宝くじを転売することを指南します。
当選者にはプレミアを付けて買い取るのですが、宝くじは非課税です。
この企業はまるまる3億円の自由にできるお金を手にすることができたのです。
過去には、旧紙幣で長年隠し持ってきた裏金を宝くじの当選者に転売。
当選者は旧紙幣を少しづつコイン商に売りなが余生を暮らしたケースもあります。
転売してしまえば、汚いお金もキレイなお金もありません。
実に巧妙なマネーロンダリングです。
竹やぶから数百万円が見つかったなどとニュースになりましたが
これらは処理に困って捨てざるをえなかった裏金なのでしょう。
近年では、海外送金などがマネロンの手口として頻繁に行われていましたが、
昨年の税法改正によりこの手は使えなくなりました。
脱税指南役であるB勘屋に対しては一層の警戒を強めていくことなります。
悪徳経営コンサルタントの安易な誘いには、絶対にのらないようにして下さい。
※2010年2月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。