2015.03.06

情報技術専門官とは?

今回のテーマは、『情報技術専門官』です。

今回は「情報技術専門官」について書きたいと思います。

情報技術専門官とは聞きなれない職種名かと思いますが、
(税理士向けではなく)一般向けに職業内容を解説した動画が
「情報技術専門官の仕事」と題してユーチューブにアップされていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=CRj0rhKOrJQ

情報技術専門官(通称:じょうぎかん)は、IT分野の研修を重点的に
受講した調査官で、通常の業務(調査範囲)もIT分野になります。

そもそも、情報技術専門官は全税務署に配置されているわけではなく、
各国税局が定める基幹署の中でも、さらに選ばれた税務署にだけ
配置されていますので、人数としてはさほど多くありません。

参考ながら、福岡国税局管内の組織図によると、管内に31税務署ありながら、
個人課税の情報技術専門官(部署)が2税務署のみに設置、
法人課税の情報技術専門官(部署)は1税務署のみに設置となっています。

http://www.nta.go.jp/fukuoka/guide/shokai/pdf/kiko.pdf

(他の国税局のデータがサイト上に見当たりませんでした)

情報技術専門官は、一般的にいう「サイバー税務署」
(ネット取引から無申告者や過少申告者の摘発につとめる)以外にも、
通常の法人・個人の税務調査で、調査官と同行してくることが数多くあります。

税務調査での主な同行理由としては、

・社内システムが構築されている
 (大規模な会社のケース)

・電子商取引が多い

・紙で見ると膨大な量になるのでデータが欲しい
 (給与の一人別台帳など)

などが考えられます。

情報技術専門官がパソコンで見ているポイントは、

①棚卸を管理しているエクセルなどの削除履歴
 (つまり棚卸除外行為の証拠)

②議事録の作成・更新日時
 (後日の作成や修正を発見)

③メール(個人のメールを含む)

かなりヒドいケースになりますが、税務調査で
情報技術専門官に「パソコンを触らてください」と言われたので
了承したら、データ復元(復旧)ソフトをインストールされ、
過去に削除したすべてのデータまで調べられた実例まであります。

そもそも論になりますが、税務調査において
パソコンを調査官に触らせる必要性はまったくありません。

パソコンを触らせて欲しいと言われたら絶対に、
「見たいものがあれば言ってください。
画面か印刷して見せますので」と回答すべきなのです。
これで税務調査の受忍義務を履行していることになります。

このように回答しないで、調査官の言いなりになれば、
見せる必要もないデータまで見せることになり、
後々トラブルになりえるのです。
(トラブルになったケースを多数を聞いています)

情報技術専門官が来たからといっても対応を変えず、
パソコンを直接触らせないことが税務調査対策上必要なのです。

 

※2011年10月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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