情報提供料等と交際費等との区分
今回のテーマは、『情報提供料等と交際費等との区分』です。
さて今回のブログは、以前弊社に相談があった内容です。
質問内容は、実例と少し変えますが本質論は同じです。
【相談内容】
既存のお客様に紹介キャンペーンを実施します。
新たなお客様を紹介していただいた場合に、
謝礼を紹介者に支払うのですが、これを交際費だと指摘されています。
このような支出は税務調査で常に問題になるところです。
広告宣伝費・販促費・福利厚生費になれば問題ないのですが、
交際費や寄付金と認定されると大問題です。
これらの勘定科目を判断すべきポイントは、
租税特別措置法関係通達 (法人税編)できちんと整理されています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/08/08_61_4a.htm
この相談内容については、61の4(1)-8(情報提供料等と交際費等との区分)を満たしていれば販促費として損金処理が可能です。
ポイントは3つです。
①紹介キャンペーンをきちんと公開しているのであれば、
紹介者に対して支払い義務が生じている
(不特定多数ではない)
②顧客紹介という役務の提供の対価として支払う
③紹介者は報酬金額が適正だから紹介をするのでしょうから、
対価は正当だと認められます
以上から、この相談内容については販促費で問題ないと判断できますし、反論根拠も明確にすることができました。
似たような事例ですが、交際費の認定を受けるものもあります。
マンションの建築用地を購入するため、地元で有力な不動産会社と
土地購入のあっせん契約を締結したいと考えています。
この契約遂行のために、地元の有力者に情報提供料を支払ったとします。この情報提供料は「交際費」に該当します。
ポイントは同じく3つで、
①当事者間の契約がない
②契約がない以上、支払義務が不明確
③情報提供料の算定根拠が不明確
であるため、交際費に認定されます。
調査官もこの辺を、根拠が曖昧なまま否認指摘してくることがあります。否認指摘を受けた場合、租税特別措置法関係通達61の4(1)を
きちんと調べて、反論材料を探してください。
ちなみに、勘定科目の誤りは重加算税になりませんので、
交際費・寄付金と認定されても、重加算税だと言われたら
「絶対に」反論してください。
法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703-2/01.htm
帳簿書類の隠匿、虚偽記載等に該当しない場合 3(4)
「確定した決算の基礎となった帳簿に、交際費等又は寄附金のように
損金算入について制限のある費用を単に他の費用科目に計上している場合」
※2011年9月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。