成年年齢引下げが税務にもたらす影響場面の検証(概要)
※2022年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
本日より毎週金曜のメルマガを担当させていただきます、
税理士法人レディングの木下でございます。
読者の皆さんに実務で使える知識をお届けしていきますので、
よろしくお願いいたします。
今回から3回にわたって、
「成年年齢の引下げ」による税務(資産税)等への影響
を検証します。
平成30年6月に民法の成年年齢を
20歳から18歳に引き下げること等を
内容とする民法の一部を改正する法律が公布され、
令和4年(2022年)4月1日から施行されることとなりました
(以下の法務省HP参照)。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html
これを受けて、平成30年度税制改正となりました
(財務省の税制改正解説は以下参照)。
1.相続税法の改正(P508 、P509 )
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/explanation/pdf/p0492-0509.pdf
(1)未成年者控除(相法19の3)
(2)相続時精算課税適用者の要件(相法21の9)
→ 相続時精算適用者としての推定相続人(子)の年齢
2.租税特別措置法等(相続税・贈与税)の改正(P556)
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11344177/www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/explanation/pdf/p0510-0556.pdf
(1)直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた場合の
贈与税の税率の特例(措法70の2の5)
→ 暦年贈与における特例税率
(2)相続時精算課税適用者の特例(措法70の2の6)
→ 相続時精算課税適用者としての孫の年齢
(3)非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除(措法70の7)
→ 贈与時の受贈者要件(一般版)
(4)非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除の特例
(措法70の7の5)
→ 受贈時の受贈者要件(特例版)
上記に加えて、令和4年度税制改正大綱(P33)にて、
住宅取得等資金贈与(措法70の3)についても、
受贈者の要件緩和がなされています。
3.遺産分割協議
相続人の中に未成年者がいる場合には、
その未成年者は遺産分割協議に参加できないため、
家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。
現状では遺産分割協議日(≠相続発生日)において20歳以上であれば、
遺産分割協議に参加することが可能ですが、
令和4年4月1日以降に18歳に達した場合、
その時点では遺産分割協議に参加することが可能となります。
相続実務にはかなり影響を与えますので、
相続税申告業務の受任時に相続人の年齢を慎重にチェックし、
遺産分割協議をスケジュールすることが求められます。
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