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2021.11.08

更正の請求が認められない場合の留意点

※2020年7月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

コロナ禍で過去の申告内容等を見直す機会が
増えたからでしょうか、更正の請求に関する
質問・相談が増えているので、今回から
数回に分けて更正の請求について解説します。

今回は、更正の請求が「認められない」場合
に関する注意点・留意点です。

まず、更正の請求が認められなかった場合、
「更正の請求に対してその請求をすべき理由が
ない旨の通知書」
が届くことになります。

上記の通知書フォーマット2ページにも
ありますが、更正の請求が認めらなかった場合、
不服申立てをすることができます。

国税不服審判所のサイトにも下記があります。

「Q)更正の請求に対する「一部又は全部に理由が
ないとした処分」でも、不服申立てできるの?」

また、更正の請求が認められない場合の
「理由附記」ですが、一部の認容であっても、
請求通りにならなかったわけですから、
その理由は附記されることになります。

これについては、古い裁決・判決等を読むと
理由附記がないことが認められている事例
もありますが、平成23年度税制改正
(平成25年1月1日以降の施行)によって、
理由附記が法的に必要となっています。

全体理解としては、「更正の請求を認めない」
という「処分」であることから理由附記があり、
不服申立てすることができるということです。

なお、実務上の注意点ですが、
更正の請求を提出し、その後追加での
資料等を要請されたうえで、担当者から
「このままでは更正の請求は認められない」
と言われるケースがあります。

更正の請求をするにあたり、明確な
所得・税額減の資料が不足・不明瞭で
あるような場合です。

その中で担当者によっては、
「更正の請求は認められないので、
取下げしてください」と要請される
こともありますが、これには
【応じない】ことが正しい対応です。

取下げを要請してくる理由としては、
更正の請求を認めない根拠、または
理由附記の記載内容が不明確だからです。

税務署としては、更正の請求を認めない
通知書を出せば不服申立てになる可能性が
あり、できれば通知書を出さずに、
そもそも更正の請求がなかったものとして
処理したいと考えているわけです。

ですから、取下げを要請された場合は、
あえて「取下げは提出しません。
通らないなら法的な手続きに従って通知書
を出してください」と伝えるべきです。

もちろん、通知書が届けば不服申立てを
することが可能になるということですが、
実務上は通知書を出したくない税務署は、
更正の請求を認める場合もありますので、
どちらにしても納税者有利になるよう、
取下げには応じないことです。

次回の水曜本メルマガでは、
当期で処理する「過年度損益修正損」か、
遡及是正である「更正の請求」か
について解説します。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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