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2017.02.27

更正の請求をするかしないか?

※2016年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

 

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

平成23年度税制改正により更正の請求の期間が5年になった
(平成23年12月2日以降に法定申告期限が到来する国税)、
そして当初申告要件が緩和されたこともあって、
実務上は更正の請求をする機会が増えたものと思います。

一方で、上記改正時と同時に、下記の義務化、
罰則規定も設けられることになりました。
(平成24年2月2日以降に行う更正の請求)

(1)「事実を証明する書類」の添付義務の明確化

更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる
「事実を証明する書類」の添付が必要となった

(2)偽りの記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則の創設

偽りの記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則
(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が創設

実務上の影響は(1)に対して大きく、過去は
税務署内で精査しない(できない)でも
更正の請求を通していたものが、すべての手続きに
「事実を証明する書類」の添付があるわけですから、
精査する内容が増え、審査が厳しくなっています。

まず、更正の請求は原則として税務署の1部門で
処理・管轄されることになりますが、
顧問税理士・納税者に問合せても明瞭にならない
事案については、調査部門に回して、
税務調査に切り替えるパターンが増えています。

つまり、更正の請求が税務調査の呼び水になる
可能性が上がっている、というわけです。

ですから、更正の請求をする場合、
審査されても絶対的に通るようなケースを除き、

・還付される税額

・更正の請求が認められる確率
(確たる資料等があるのか、経費として
追加したい内容は経費性が明らかなのか)

の2つを勘案して、実際に行うのか
どうかを判断する必要があります。

還付税額が少額にかかわらず、経費性が
明確ではない更正の請求を行ったばかりに、
税務調査で全部ひっくり返されるリスクが
新たに発生してしまう、というのが現実です。

もちろん、この判断は最終的に顧問先に
委ねるべき問題です。

「更正の請求をするのはいいですが、この内容は
書類だけでは不明瞭なので、税務署が書類審査から
税務調査に切り替えてくる可能性はありますよ」

と事前に伝えておくべきでしょう。

あえて更正の請求をしない、というのも
選択肢であることは知っておくべきでしょう。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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