書面添付で税務調査は来ない?
今回のテーマは、『書面添付で税務調査は来ない?』です。
今まで当ブログでは書面添付(税理士法第33条の2)
については触れることはありませんでした。
セミナーでもお話ししたことはなく、質問がくれば
それには回答するという程度で済ませてきました。
実は、私の中で書面添付に関する考え方が変わってきました。
そもそも、書面添付に対する知識・知恵・メソッドを
持ち合わせていませんでしたし、元国税として言わせてもらうと、
「そんなもの添付したって意味ないですよ」と思っていました。
しかし、国税内部の意見、書面添付を実際にしている税理士の意見を
総合的に勘案して、少しずつではありますが、書面添付を
有効活用する方法を学び、考えてきました。
さて、現在書面添付の割合をご存知でしょうか?
全申告書に対して、税理士がついている割合が87%。
しかし書面添付がされている割合は7%に達していません。
これは当然ながら、個人の申告にまで書面添付をする
割合が低いでしょうから、全体の割合が低くなるのですが、
それでも毎年伸び率が鈍化しており、
国税庁の思惑とは別に、普及が進んでいないのが現状です。
率直に申し上げて、調査官を含む国税職員は
書面添付の意義・内容をほぼ理解していません。
つまり、書面添付があってもなくても、
税務調査をするしないは関係ないと考えています。
先日、ある有名な元国税の税理士と話しましたが、
「書面添付があった方が調査官は狙うよ。
だって書面添付するっていう方が怪しいもん」
これが多くの調査官の考えとも一致すると思います。
しかし・・・書面添付を非常に深く勉強し、
実務上も推進している何人もの税理士と話をしていると、
まったく逆のことを言っています。
「書面添付して税務調査が明らかに減った」
書面添付をすることで、税務調査が減った理由が
あるとするなら下記の2つが考えられます。
①調査官に理解してもらう
前々回のブログで、特殊事情や詳細の説明を申告書に
きっちり記載することで、税務調査は減るし短縮できると
書きましたが、これと同じ効果が書面添付にもあります。
書面添付をどう書けばいいのかは、私が詳細に書くより、
これを見ていただいた方がかなり有効だと思います。
「書面添付制度に係る書面の有用事例集」
$$$http://www.tokyozeirishikai.or.jp/pdf/jireisyu.pdf$$$
この事例集を見れば、結局調査官が何を
知りたがっているのかを知ることができますので、
書面添付をしていない方もぜひご覧ください。
②正しい対応方法
書面添付をしているだけで税務調査が省略になる
わけでは決してありません。調査官からの問合わせに対して
正しく対応する方法がありますし、また極端なことをいうと、
書面添付制度を深く理解しておくと、事前照会なしで
税務調査を行おうとした調査官を引き留めることも可能です。
このあたりは私ももっと勉強して
セミナー等で公表していきたいと思います。
※2011年8月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。