書面添付で記載すべき内容は何か?
※2017年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
税務調査が省略になる確率が高くなっていることから
書面添付をしている、または書面添付をしようと
考えている会計事務所が増加しているようです。
さて、そもそも書面添付を作成する際に、
具体的に何に気を付けて記載すべきなのでしょうか。
まず、大枠の方向性ですが、書面添付の内容は
「税務署が確認したいこと」を記載すべきです。
書面添付をする1つの大きな意味・目的は、
意見聴取の結果として【調査省略】になることです。
実際の意見聴取においては、書面添付の記載事項等を
確認したうえで、担当官に不明点・疑問点がなければ
調査に移行しない(確率が上がる)わけです。
だからこそ、「この会社ならここに着眼されるだろう」
「この業種業態ならここは漏れやすいよね」という
ポイントを確認のうえ、書面添付に記載することです。
あえて典型例を挙げるなら下記のような項目です。
○廃材が出る業種・店舗・歯科医など:雑収入
○前年より多額に増減している(利益率などを含む)
勘定科目等におけるその内容と理由
○修繕費が多額に計上されている年度では、
資本的支出との区分が適正である旨
○現金売上がある場合の、その計上方法と
突合・確認した内容・方法(を具体的に)
○変更した会計処理方法がある場合は、
その変更前と変更後の内容(とその理由)
○特損がある場合の、その詳細と確認内容
(特損の場合は疎明資料を添付した方がいい)
これ以外にも、税務署が書面添付を見て、
「印象が悪い」と感じるのは下記のような内容です。
○「特になし」や「特段なし」などの記載が多い
⇒確認していない項目はこの記載にならざるを得ませんが
できるだけ項目は埋めた方が印象は良いです
○毎期ほとんど定型的な文章を記載している
⇒3期分の書面添付を見比べられるわけですから、
記載内容のほとんどがコピペでは印象は悪いです
○顧問先固有の内容を記載していない
⇒一般的な業種テンプレートばかりの記載では、
本当に確認したのかを疑われる結果となりやすいです
○決算修正の内容を記載していない
⇒意見聴取では月次の内容ではなく、
年次での確認となりますので、決算時に
何をどう確認したのか、決算修正したのかが
税務署がもっとも確認したいことになります
書面添付の記載内容に関しては、
出回っているフォーマット等もあるようですが、
日税連が公表している資料は非常に参考になります。
こちらも合わせて確認したうえで、記載内容を
考えると調査省略に持ち込みやすい
書面添付を作成できますのでぜひ参考にしてください。
日税連のサイト「資料集/書面添付制度」
http://www.nichizeiren.or.jp/suggestion/siryo-4/siryo-4.html
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