書面添付の方向転換
今回のテーマは、『書面添付の方向転換』です。
前回の記事で書面添付について書いたところ、
反響が大きくて私自身かなり驚いています。
今回は書面添付に対する国税の考え方がここ数年で
大きく変わったことについて書かせていただきます。
以前は調査官にとって、書面添付など
意味のないことだと思っていたのが事実です。
「書面添付をして調査が省略になるなら、
全法人が書面添付をしてきたらどうなるんだ?」
「書面添付をしてくる法人は税務調査に入られたくない
ってことだから、あえて調査を実施してやれ!」
今でも、元国税調査官の方と話をすると、
このような反応がほとんどだといえます。
しかし2年前から国税職員が書面添付に対する
考え方が大きく変わってきています。
それは、国税のトップが書面添付を推進しなければならないため、
現場への通達を数多く出していることで、統括官・調査官の
書面添付に対する考え方・対応が変わってきているのです。
報道資料の中でも、最近公表された「国税庁レポート2011」
の29ページでも、書面添付の推進が明記されています。
※このレポートはそれ以外もすべて目を通した方がいいです
ここで最もインパクトのあるお達しが
平成21年6月に発表された事務運営指針です。
「法人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての
基本的な考え方及び事務手続等について」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/090401/01.htm
「個人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての
基本的な考え方及び事務手続等について」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/shotoku/shinkoku/090401/01.htm
「調査課における書面添付制度の運用に当たっての
基本的な考え方及び事務手続等について」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/090401-2/01.htm
この事務運営指針の中にも明記されているとおり、
日税連と「添付書面作成基準(指針)」を平成21年4月に
作成・公表されており、国税組織も書面添付に対する
考え方から事務手続きまですべて定めて公表したのです。
日税連の「添付書面作成基準(指針)」
http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/pdf/tenpusyomensakuseikijyun090401.pdf
書面添付で調査省略にするには大きく2つのポイントがあります。
①書面添付の書き方
通常こちらのノウハウばかりに気をとられがちですが、
実は②も非常に重要です。
②税務署からの問い合わせに対する対応方法
これについては、上記の事務運営指針が守られていない場合、
こちらから指摘することで、対応姿勢が確実に変わり、
調査省略にもっていけるケースも増えるのです。
※2011年8月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。