書面添付制度のよくある質問①
今回のテーマは、『書面添付制度のよくある質問①』です。
「書面添付のすべて」のDVDへ100本以上のお申込みをいただき、正直かなり驚いています。
書面添付制度は、「税理士の社会的地位向上」を目的にしていますが、
実際には制度自体が知られていないところに問題がある一方、
最近になってようやく税理士の皆さんもご興味を持たれているところのようです。
さて、書面添付制度に関してそれほど関心度が高いのであれば・・・
というわけで、今回は「書面添付制度のよくある質問」を書かせていただきます。
実際に私が質問されたものだけを抽出しました。
【質問1】
意見聴取によって非違事項が指摘され、
修正申告になった場合に加算税はかかりますか?
【回答1】
意見聴取は実地調査ではないので、正確にいうと
税務調査ではありません。ですから原則として加算税はかかりません。
なお、下記事務運営指針の「6」に記載があります。
「法人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての
基本的な考え方及び事務手続等について(事務運営指針)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/090401/01.htm
【質問2】
補助税理士は意見聴取に出席することができますか?
【回答2】
はい、できます。税理士法基本通達2-8に、
「法第2条第3項に規定する「補助者」は、従事する税理士
又は税理士法人が委嘱を受けた事案について、
自らの名において税理士業務を行うことができることに留意する。」
とありますので、補助税理士でも意見聴取に対応可です。
【質問3】
細かい部分がわからないため、意見聴取の際に
納税者を同席させたいのですができますか?
【回答3】
いえ、できません。意見聴取はあくまでも税理士法の規定にあるもので、
実地調査ではありませんから、税理士のみの対応になります。
【質問4】
反面調査では事前の意見聴取がありますか?
【回答4】
反面調査の場合、意見聴取等はありません。
【質問5】
管轄の税務署が遠方の場合、書面添付をすると意見聴取のために
出張しなければなりませんが、どうにかなりませんか?
【回答5】
遠隔地の場合、上記事務運営指針の規定により
「電話による意見の聴き取り又は文書による
意見の提出によっても差し支えない。」とされていますので、
遠方の顧問先でも書面添付することは実務上問題ありません。
【質問6】
納税者の許可なく書面添付することはできますか?
【回答6】
実務上の問題はさておき、書面添付制度はあくまでも
税理士の権利ですから、納税者の了承等は必要ありません。
今後ますます書面添付制度は広がりをみせるはずですから、
今のうちに制度を理解しておくことをおすすめします。
次回も引続き、「書面添付制度のよくある質問」をご紹介します。
※2012年2月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。