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2020.04.10

消費税の個別と一括は後から変更できない

※2019年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

更正の請求に関して、12月頭から毎週金曜に
解説し続けてきましたが、今回は消費税の
仕入税額控除を計算するにあたり、いったん
選択した計算方法が変更できないことを解説します。

まず、一括比例配分方式を採用した場合、
2年間は継続して適用しなければならない
ことは誰でも知っていますので、
今回はこの縛りがない前提で進めます。

また、個別対応方式の場合は、3つに
区分しなければなりませんが、それも
満たしていることを前提にします。

さて、いったん個別対応方式で申告をした後、
一括比例配分方式を適用した消費税が下がる
ことに気付いた場合、更正の請求は
できるのでしょうか?(一括から個別への
変更もまったく同様の論点です)

答え:できません

昨年12月7日に配信した本メルマガ
「更正の請求ができる要件・できない例」
で解説しましたが、更正の請求の要件は、

(1)法律の規定に従っていなかった場合
(2)計算誤りがあった場合

のどちらかに該当し、税額が減る場合です。

個別対応方式と一括比例配分方式は
選択適用ですから、どちらを選択しても
誤りではない=正しい申告である以上、
【正しい方法から正しい方法への変更】
は、更正の請求として認められません。

では、修正申告の場合はどうなるのでしょうか?

例えば、税務調査に入られて、
消費税に関して否認された項目がありました。

一方で、仕入税額控除の計算方式を
変更すれば、本税の金額が減るが
結果として修正申告になる場合です。

更正の請求の場合と同じで、修正申告で
あっても、個別対応方式と一括比例配分方式
の選択を変更することはできません。

消費税法基本通達15−2−7(注)
事業者が既に提出している確定申告書において、
個別対応方式又は一括比例配分方式の
いずれかの計算方式により仕入控除税額を
計算した場合には、当該申告について
通則法第19条第3項《修正申告》に規定する
修正申告書を提出するときにおいても、
当該確定申告書で選択した計算方式により
仕入控除税額を計算することとなる
のであるから留意する。

本来であれば、更正の請求と違って
修正申告には要件がないわけですが、
仕入税額控除の計算方法については
変更できないことが規定されています。

この論点は実務でもよく出てきますので、
ぜひ注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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