無予告調査の正しい対応方法
今回のテーマは、『無予告調査の正しい対応方法』です。
平成23年度税制改正大綱の中にも明記されています、
「納税者権利憲章」の策定と、その改正等にともなって
「税務調査における事前通知」が義務化されることについては、
いまだ施行が未確定で、成立すら危うい状況になってきました。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian11/zeiseian11_01.pdf
現状の法律では、質問検査権の要件に「事前通知」が入っていない以上、無予告調査も通常の調査と同じく、受忍義務があります。
しかし無予告調査で対応を間違ってしまったがために、
税理士が着く頃には異常な追徴税額になってしまっている、
という問題が実際に多数発生しています。
まず、国税が公表している無予告調査に対する考え方については、
当メルマガの過去の記事をご覧ください。
VOL.77「不当な無予告調査を訴える」
VOL.91「無予告調査を勘違いしていませんか?」
http://kachiel.jp/tax/pdf001.html
でもお読みいただくことができます。
現在でも法人の約10%、個人事業主の約20%が無予告調査であると
言われている以上、無予告調査の正しい対応方法を知り、
事前に関与先さんに周知徹底していただきたいと思います。
【無予告調査の正しい対応方法】
①調査官が突然来ても、事業所には入れない
調査官が事業所に立入るには「明示の承諾」が必要です。
従業員等が「どうぞ」と言わない限り、調査官は入れません。
対応方法がわからない従業員は「入っていいですか?」と聞かれると
つい「どうぞ」と言いがちです。気をつけてください。
②すぐに税理士に電話してもらう
事業所の外で待たせたまま、すぐに税理士に連絡して
もらってください。税理士が電話で対応できる場合は③の対応。
税理士が電話で対応できない場合は、③を従業員に
対応してもらう必要があります。
③税務調査の日程を決める
無予告調査でも受忍義務がある以上、間違っても
「今すぐ調査は受けれません」と言ってはダメです。
正しい対応方法は、「今日は予定があるので
別の日にしてください。来週の~曜日だったらいいですよ」
と言って、日程を実際に決めてしまうことです。
無予告調査は納税者にとって不利なことばかり。
かといって、無予告調査に受忍義務はあります。
そうであるなら、最も正しい方法は、
あくまでリスケジュールすることなのです。
この3つの順序と内容を、ぜひ関与先の皆さんに
今すぐ共有していただくことをお勧めします。
※2011年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。