申告ミスの多い科目
今回のテーマは『消費税』についてです。
この時期は、最も税務調査が実施される季節です。
その中でも最近ミスが多くなっているのが『消費税』です。
消費税は、今の日本おいては非常に貴重な財源です。
しかし、毎年のように申告ミスの多い科目でもあります。
今回は、その『消費税』について触れてみましょう。
以前は、消費税の単独調査が行われることはほとんどなく、
法人税や所得税の調査と一緒に行われるのが一般的でした。
最近では、法人税の申告が赤字の場合や法人税の調査対象に
なっていなかった際に消費税の還付申告をした場合などは、
単独で調査を行うようになってきました。
消費税の調査は、『非課税取引』と『課税取引』がきちんと
わけられているかどうか、ということに重点が置かれます。
では、一般的な調査の流れを少し見てみましょう。
調査は、準備調査、初動調査、帳簿調査の順番で行われます。
この準備調査は、最も時間をかけて入念に行います。
事業者から提出された申告書や各種資料をじっくり目を通して、
その経営実態を詳細に認識すると共に、調査すべき項目をあらい出します。
「仕入税額控除に関する明細書」「消費税の各種届出資料」
「事業概況書」「所得税申告者」などの各種届出書から
課税標準額や控除対象仕入額、貸倒れにかかる消費税額、課税売上割合
などについて検討をします。
簡易課税については、選択届出書提出日や基準期間の課税売上高、
みなし仕入れ率などについても十分に検討を行います。
申告書1枚を提出すれば、そのまま通ると思ってはいけません。
これらの種類すべて精査した上で、申告が正当なものかを判断するのです。
課税標準額の確認作業では、調査官は業種・業態によっては、
こんなところにも注目しています。
貿易業であれば、過去の調査実績から見て
課税取引を免税取引にしていないか?
不動産業であれば、建物部分を土地の売上に含めて、
非課税にしていなか?
自動車販売業では、下取り価格を差し引いた金額を
課税売上としていなか?
取引形態の観点からは、外注先への材科などの
有償支給を課税対象としているか?
また、委託販売や代理店販売の処理は適切か?
などもくまなくチェックを行っています。
次回は、この『消費税』の調査についてさらに掘り下げてみましょう。
※2009年12月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
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