相続時精算課税の具体的活用法(2)
※2024年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「相続時精算課税の具体的活用法(2)」です。
前回に引き続き、
今回も同様のテーマとなります。
前回、相続時精算課税の具体的活用法として
1.新設規定の積極活用
2.高収益財産の贈与
を取り上げました。
今回は、
3.価値が上昇すると見込まれる財産の贈与
を取り上げます。
(1)上場株式
現在、日経平均株価が上昇しておりますが
今後も上昇すると見込まれる銘柄があれば
上昇する前にある程度のロッドを
贈与することも検討の余地があります。
贈与後に株価が上昇すれば、
そのキャピタルゲイン分は
受贈者側に帰属することになります。
つまり、贈与時点での株価で固定することが
できる、これが相続時精算課税制度の
メリットと言えます。
しかしながら、
贈与後に株価が上がるかは様々な環境の
影響を受けるため、100%確実とは言えない
可能性があります。
相続時精算課税を積極的に活用できない
理由の1つに上記の原因が考えられます。
(2)上場予定の未公開株式
仮にIPO予定の未公開株式を保有している場合
上場後には株価が跳ね上がることが想定されます。
そのような株式であれば、早期に贈与することで
(1)と同様のメリットを享受することが
可能となります。
ただし、実務上の留意点としては、
「株主間契約の存在」が挙げられます。
IPOを目指す会社の場合、
「株主間契約」を締結している可能性が
あり、当該契約において、
「株式の譲渡制限」を課していることが
多くあります。
こちらの契約は、会社法で規定する
株式譲渡制限とは別の株主間での決まりごと
になります。
株主間契約の詳細については
以下URL(経済産業省)
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/equityfinance/download/003.pdf
をご確認ください。
(3)同族会社株式
世の多くの株式会社は上場していない
同族会社がほとんどです。
我々税理士がかかわる会社のほとんどが
中小企業であり、いわゆる「取引相場のない株式」会社
となります。
株価算定にあたっては、
財産評価基本通達に沿うことになりますが、
業績が好調であれば
株価は上昇するというイメージで
株価評価されるかと思います。
類似業種比準株価:
利益(C)上がる → 純資産(D)上がる
純資産株価:
内部留保が積み上げられ純資産が上がる
上記とは逆に、
業績不調で赤字が続けば、株価は下がる
ことが想定されます。
ただし、比準要素数1の会社に該当すれば
赤字であっても株価が上がる現象が生じて
しまう可能性には注意が必要です。
また、特定の評価会社(株式保有特定会社など)
に該当すれば、株価は一気に跳ね上がることも
想定が必要となります。
このように、
・業績好調で株価上昇
・株式保有特定会社に該当して株価上昇
などのように株価上昇が見込まれる場合には
相続時精算課税を積極的に活用することも
検討の余地があります。
上場会社と比較して
自分のコントロールがしやすいという
側面はありますが、
不確実性の高い環境ですので、
自社の業績が読めるかは、
経営者の才覚も問われるものと考えます。
しっかりと見極めた判断が求められる
ことは言うまでもありません。
次回も引き続き、
相続時精算課税の具体的活用法を
解説します。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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