確定申告明け税務署からの電話連絡で気を付けるべきこと
※2018年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
税理士・会計事務所の皆さま。
確定申告対応、誠にお疲れ様でした。
さて今回は、確定申告の直後だからこそ
税務署からの電話連絡で気を付けなければならない
ことを注意喚起しておきます。
税務署では(個人の)確定申告が終わると、
いわゆる「事後処理」という期間に入ります。
提出された申告書の内容を精査しながら、
KSKのエラーを中心に「誤りがあるかも?」
と思われる箇所を問い合わせることになります。
税務署としては、税務代理がついている
申告書については税理士・会計事務所に対して
電話連絡をして、確認するケースが多くあります
(まとめてお尋ねを送付するケースもあります)。
3月下旬から4月にかけて、会計事務所に
電話連絡があるのは、調査の事前通知でなければ
確定申告内容の問合せのはずです。
ここで注意していただきたいのは、
税務署からの電話問合せの結果として、
実際に申告内容に誤りがあって、
修正申告をした場合に、加算税が課されないように
対応・確認をしなければならない、ということです。
このようなケースでは、後から税務署と
加算税の有無をモメるケースがよくあるのですが、
これを避けるためには、「連絡の冒頭から」
修正申告をしても加算税が課されないことを
確認しておく必要性があります。
区分として、修正申告を提出する行為は、
税務調査 ⇒ 加算税が課される
行政指導 ⇒ 加算税が課されない
の2つに分かれます。
通達では、下記のように規定されています。
国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の
制定について(法令解釈通達)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/zeimuchosa/120912/01.htm#a01_2
1−2(「調査」に該当しない行為)
当該職員が行う行為であって、次に掲げる行為のように、
特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する
目的で行う行為に至らないものは、調査には該当しない
ことに留意する。また、これらの行為のみに起因して
修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は源泉徴収に係る
所得税の自主納付があった場合には、当該修正申告書等の
提出等は更正若しくは決定又は納税の告知があるべきことを
予知してなされたものには当たらないことに留意する。
(1)提出された納税申告書の自発的な見直しを
要請する行為で、次に掲げるもの。
ロ 当該職員が保有している情報又は提出された
納税申告書の検算その他の形式的な審査の結果に照らして、
提出された納税申告書に計算誤り、転記誤り又は
記載漏れ等があるのではないかと思料される場合において、
納税義務者に対して自発的な見直しを要請した上で、
必要に応じて修正申告書又は更正の請求書の
自発的な提出を要請する行為。
上記はまさしく、申告内容を見直した税務署が、
電話連絡をしてきて、あくまでも「自発的な」
修正申告の提出を要請してきているわけですから、
調査には該当せず行政指導に該当します。
実務上大事なことは、税務署からの
連絡があった場合、具体的な指摘を受けたうえで、
「納税者に確認します」としながらも、
【この連絡は通達を見ても調査には該当しない
ので、加算税は課されないんですよね】
と、「冒頭で」確認することです。
繰り返しますが、税務署と加算税について
(調査か行政指導かについて)あとで
モメると、事実関係も含めて面倒になります。
冒頭でこう確認しておけば、あとで
モメる要素はありませんので、この時期の
税務署からの連絡には特に実践してください。
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