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2019.03.01

税務署が得る不動産登記情報の内容

※2018年5月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

私がよく質問されることに、

「税務署は不動産登記の情報を
何を・どこまで持っていますか?」

というものがあります。

税務署は毎月、法務局より登記情報(データ)を
得ており、それをKSKに取り込んでいます。

この不動産の登記情報ですが、
税務署が自然と得られるのは
【所有権移転】に関する情報のみです。

所有権移転に関する情報とは、

〇取得者
〇取得日
〇移転原因

となります。つまり、登記簿における
「甲区」のみということです。

担保などの「乙区」など、得られない情報のうち
税務署として知りたい場合があった場合は、
都度法務局に照会をかけて、登記簿を閲覧、
もしくは請求することになります。

税務署としては、所有権の移転情報さえ
把握できれば、差分をとって
新旧の所有者は当然わかりますし、
それにより申告の有無と照合できます。

また、申告が無ければお尋ねを発送して、
申告の勧奨、もしくは詳細の把握ができる、
ということになります。

税務署が得ている登記情報から考えると、
例えば、下記のようなことがわかります。

〇債務者の変更

不動産購入時は連帯債務であったものを、
単独債務に切り替えた場合、債務がなくなった
者に対して贈与税が課されることになりますが、
少なくとも税務署は、登記簿を見ない限り
単独債務に切替わった事実はわかりません。

〇面積の変更

数年前に相続で取得した土地について、
その後測量し直してみたところ、
縄延びしていたことが判明し、
地積更正の登記をすることになりました。

面積の変更登記を税務署は
自然に知ることはありませんので、
その土地を売却するなどの行為がない限り、
相続申告における面積変更(修正申告)に
気付くことはないかもしれません。

本メルマガの内容は、なにか
悪用されることを前提に情報提供を
しているわけではありませんが・・・

税務署が登記のどの情報をもとに、
机上での申告内容を精査していたり、
お尋ねを送付しているのかは、
上記からだいたいは把握できるはずです。

繰り返しますが、上記はもちろん
税務署が「自然に得る」情報の範囲であって、
登記を見ようと思えば、簡単に
見ることができる、というのが大前提です。

法務局と税務署が情報連携していることは
なんとなくでも知っているとは思いますが、
情報内容はこのようになっています。

登記簿のすべてを最初から把握している
わけではなく、あくまでも詳細は、

怪しい ⇒ 登記を閲覧・取得請求する

ということになっているのです。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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