税務署の異動内示が早まることによる税務調査への影響
※2019年6月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務調査の傾向として、ここ数年で大きく変わったのが
6月中に事前通知(正確には、調査通知)があって、
7月以降の調査予約が早めに入るパターンです。
過去は「6月までの税務調査」と「7月からの税務調査」
が分断されており、7月以降の税務調査は早くても
7月中旬以降に事前通知となっていました。
税務署も調査件数を増やす施策として、事前通知
(担当調査官が決まっていないので多くは調査通知)
を前倒しで行い、とりあえずの調査予約を入れる
という傾向にあります。
その傾向にさらに拍車をかける、国税内の
ルール変更が今年から実施されることになりました。
ご存じのとおり、国税内は毎年、
7月10日異動 ⇒ 1週間前の7月3日内示
となっていましたが、今年より全国的に
【2週間前の6月26日内示】
に変更になるようです。
これによって考え得る税務調査への影響は、
〇税務調査の大半が結了している6月中旬
~下旬において7月以降の調査選定を行う
〇異動しないことがわかっている調査官は
より早めの選定・調査通知を行う
〇すでに調査選定していたが、春に調査を
実施できなかった調査先は7月以降に実施
ということが想定され、今後ますます
6月中~7月初旬における調査官の異動前の
事前通知・調査通知が増えるものと考えられます。
今までは、秋の税務調査の開始時期は実質的に
8月以降と考えてよかったわけですが、
これにより税務署の異動直後である
7月中旬からの調査開始が当たり前になります。
また、調査予約の連絡をする調査官が、
7月10日以降にその調査先を担当するかどうか
は明確ではない(同じ税務署に残るが
部署などが替わるかもしれない)ことから、
事前通知の項目の1つである担当調査官を
明示できないと思われ、今までと同じように
とりあえず「調査通知」を行って、
7月10日以降の調査直前に、担当調査官から
正式な事前通知があるものと想定されます。
国税が「内示日を1週間前倒しする」というのは
今までずっと続いていた慣習を打ち壊してまで
調査件数を増やすことの決意の表れでしょう。
以後は特に、7月からの調査が増えそうですので、
ぜひ対応に注意してください。
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