税務調査で税額減が判明した場合の対応方法
※2020年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務調査を受けてみると、実は
当初申告の税額が過大であり、結果として
還付を受けることになるケースがあります。
このようなケースにおいて、調査官は
「いったんこの調査を是認にするので、
その後に更正の請求をしてください」
と主張することが多いでしょう。
これはもちろん、調査官は減額更正に
したくないというのが本音です。
一方で、表面的にみれば
「調査是認⇒更正の請求」であっても、
「調査で(職権による)減額更正」でも
結果(税額)は同じになるわけですが、
実務上は調査官の主張である前者を避け、
後者にした方がメリットは大きいです。
調査後の更正の請求ではなく、調査時の
減額更正になった場合のメリットは下記です。
●処理が1回で済む
●「言った言わない」の話にならない
⇒
更正の請求の処理担当者が
調査担当者と同じであるとは限らない
●更正の請求が棄却されるリスクがある
⇒
・調査官の誤指導であるリスク
(調査時の指摘内容が間違っていた)
・実は更正の請求の要件を満たさない
(「法律の適用誤り」か「計算誤り」かの
要件を満たしていなかった)
税額減となる誤りが、誰が判断しても
明白である場合を除き、特に評価減や
計上時期など見解の相違があり得る場合は、
調査現場で調査官が納得している以上、
減額更正に持ち込むべきでしょう。
本来であれば、調査において是正項目が
あった場合、それが税額増であろうと
減であろうと、是正しなければならない
というのが原則的な考え方になります。
国税通則法第24条(更正)
税務署長は、納税申告書の提出があつた
場合において、その納税申告書に記載
された課税標準等又は税額等の計算が
国税に関する法律の規定に従つて
いなかつたとき、その他当該課税標準等
又は税額等がその調査したところと異なる
ときは、その調査により、当該申告書に
係る課税標準等又は税額等を更正する。
上記の規定通り、税務調査では
税額(の増減)は更正によって是正する
ことが原則になっているからです。
では、「調査是認⇒更正の請求」と
言い出した調査官に対して、
「減額更正してください」と反論すれば
調査官は職権更正をしなければならない
のでしょうか?
この論点に関しては、来週の
本メルマガで解説します。
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