税務調査において調査官から納税者に直接連絡あった場合の対応方法
※2024年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
先週水曜の本メルマガまで3回にわたって
税務代理権限証書について解説してきました。
税務調査における税務代理権限証書の意義・効果とは、
納税者が税理士に税務調査の立会いを委任する
=
税理士は納税者に代わって主張・陳述ができる
ことを税務署に証する書面ということになります。
さて、ここで勘違いされやすい論点として、
「税理士が税務代理権限証書を提出しているのだから、
税務調査において税務署は、納税者に直接連絡することや
対面でのヒアリングなどはできない(手続き違反)」
という内容があり、この認識は誤っています。
税理士としては税務調査に関する税務署からの連絡等は
すべて・一括して税理士にあるべきであって、
税理士抜きで連絡や対面をされると、税務代理権限証書の
意味がないのでは?という考え・想いは当然でしょう。
この論点に関して理解すべきは、下記の全体像です。
税務調査の対象者(納税者)=受忍義務がある
⇒
納税者が知識不足や対応する時間がない等
⇒
納税者が調査立会いを税理士に委任する
(申告書の作成者と別の税理士であっても問題ない)
⇒
委任した(代理権を付与した)ことを証するため
税理士は税務代理権限証書を提出しなければならない
⇒
受任した税理士の主張や対応は納税者に【代わって】
行われる(=納税者の行為と同一視される)
という理解であって、税理士が税務代理権限証書を提出した
といっても、納税者自身が税務調査の対象者であり、
受忍義務があることに何ら変わりはありません。
ですから、税務調査が進む中で調査官が納税者に直接
連絡・問合せすることは手続き違反になりません。
では、納税者の立場に立って考えると、
知識不足や対応する時間がないからこそ
税理士に報酬を払ってまで委任しているのですから、
調査官から直接連絡・問合せをされても困るわけです。
納税者が税務調査に関して調査官から連絡・問合せを
受けた場合、【すべて税理士に任せているので
そちらに連絡してください】と言ってもらうことです。
これにより、
・納税者は受忍義務を守っていないのではなく、
受忍義務を守るために税理士に連絡して欲しい旨が伝わる
・税理士としては「税理士抜き」にした税務調査が
進むことや、リスクを回避することができる
(税理士不在時に間違った回答することや、
質問応答記録書にサインしてしまうリスクの回避)
とすることができます。
ここまでを整理すると下記となります。
●税務代理権限証書を提出していても税務署(調査官)は
納税者に直接連絡等をすることはできる
●調査官から納税者に連絡があった際に「税理士に連絡して」
と言えば、調査官も税務代理権限証書を提出している
税理士に連絡せざるを得ない
となります。なお、ここまで調査官に伝えたにもかかわらず
調査官がまだ食い下がって納税者にヒアリング等をしようと
するのであれば、税務代理権限証書の効果を理解しておらず、
それこそ「調査手続き違反」となります。
この論点で大事なことは、税理士が調査立会いする納税者に
対して、「調査官から直接連絡等があっても、
税理士に連絡してくださいの一点張りで通してください」
と【事前に伝えておくこと】です。
この点さえ守っておけば、このような税務調査内での
トラブルは避けることができるでしょう。
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