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2017.03.16

税務調査におけるタブー発言

※2016年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

 

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

先日個別相談があった調査事案なのですが、
私も実例を初めて見ました。
「倒産防止共済の添付漏れ」による否認です。

倒産防止共済の掛金を損金に算入するためには、
いくつかの条件があるわけですが、
別表10(6)を添付することが1つの要件です。

このことについては、一昨年のセミナー等から
できる限りみなさんにお伝えしてきましたが・・・

実際の否認事例を見たことがなかったのですが、
今回担当の統括官に指摘されたという事案でした。

さて、ここまでは取り返しがつかないので致し方ない
のですが、話はここで終わりませんでした。

別の顧問先(しかも同一税務署管轄)で春に税務調査が
あった際に、別表未添付の倒産防止共済については
否認指摘があったものの、調査時に別表を提出して
事なきを得た、という事実・経験があったので、
その旨を今回の調査で言ったところ・・・・

他の顧問先にも飛び火する可能性まで
出てしまった、という事案なのです。
(他の顧問先は急いで自主修正申告です)

私はセミナーでよく言うのですが、税務調査で
「他の(顧問先の)調査では言われませんでした」
は絶対にタブーです。

上記調査事案のように、他の顧問先では大丈夫だった
という経験があったとしても、本来は認められない
処理である以上、その事案「だけ」がラッキーだった
と思っておくべきで、その事実を他で言ってしまうと、
「では他の顧問先も修正申告を提出してください」
となるのは必定です。

さらに・・・です。
「顧問先リスト」を出している場合は、
これはもうバレバレです。

調査官からすれば、顧問先リストを見て
同一管内にある他の顧問先をピックアップ。
倒産防止共済があって、別表未添付を
調べるだけで確実に否認できるわけですから、
これほど楽な税務調査はありません。

合わせてお伝えしておきますが、同一顧問先で
あってもタブーとするフレーズがあります。
それは「前の調査で言われませんでした」。

調査官としてはこう言われると、
「ではさらに遡って修正してください」
としか言えないわけです。まさに
飛んで火にいる夏の虫という状況ですよね。

余計なことを言ってしまったがために、
他の顧問先・年分まで否認される状況を
自ら招くような発言は絶対に控えるべきです。

なお、倒産防止共済の別表未添付については
会計検査院が確認を始めているようです。

この情報は関東信越国税局管轄なのですが、
他の地域でも同じ状況なのかもしれません。

この点は個別論点ではありますが、
倒産防止共済は会計事務所が勧めて加入する
ことがほとんどでしょうから、それが
会計事務所の責任で損金にならないなど、
本当にシャレにもなりません。
ぜひ気を付けてください。

 

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一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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