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2017.03.30

税務調査に関する開示請求はできるの?

※2016年10月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税務調査の最盛期ともなると、いろいろな質問・相談が
寄せられますが、その中でも「税務調査の資料を
開示請求かけたい」というものがあります。

例えば、無申告者に税務調査が入り、ある程度
調査が進んだ後に調査立会いを求められた場合。

調査の過程を納税者からヒアリングしても、
判然としないポイントは多いことでしょう。

また、税務代理権限証書を提出している顧問先
ではあるが、調査立会いをせずに最終的な
修正申告書を作成する段階において「質問応答記録書」
を取られていることが判明したような場合。

このようなケースでは「質問応答記録書」に
何が書かれているのか、納税者の記憶よりも
書面をきちんと確認しないと反論しようがありません。

まず税務全般に関して、国税側に対して
情報公開を求める方法はいくつかあります。

国税庁ホームページ「情報公開」
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/johokokai/01.htm

税務調査に関連する文書を情報公開請求するにも
いくつかの方法(根拠条文は別)があります。

・行政文書の開示請求
(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/johokokai/tetsuzuki/01.htm

・保有個人情報の開示請求
(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律)
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/kojinjoho/tetsuzuki/03.htm

・個人情報保護法による開示請求
(個人情報保護法)

例えば、上記のように納税者が税理士に知らないうちに
「質問応答記録書」を提出してしまい、それを
根拠に重加算税と指摘され、それに対する反論をしたい
ケースでは、「質問応答記録書」の開示請求をするには
「個人情報保護法による開示請求」を
「納税者本人が」行う必要があります。

「質問応答記録書作成の手引について(情報)」
国税庁 課税総括課情報 第3号 平成25年6月26日
http://kachiel.jp/sharefile/140306mailmagazine_EX_21140428.pdf

の39ページ問28に記載ある通りです。

実際のところ、調査官に対して
「調査に関する書面を開示してくれ」と言っても、
「できない」の一点張りで返されることが
ほとんどなのですが、それは調査官が
開示請求の手続きを知らないだけであって、
上記の根拠を明示すれば、もちろん
断ることはできないわけです。
(根拠が明確であることは必要要件です)

ただし、福岡地裁平成26年4月21日などでも
争われていますが、税務調査に関する書面について、
国税側は固有に作成している書面については
開示対象にはならず、あくまでも開示の対象は
納税者が作成・提出した書面や、それに付随して
「調査のやり取りを客観的に示した内容
(発言内容や調査した資料等)」に限定されますので、
すべて開示されるわけではないことに注意してください。

税理士の知らないところで提出された
書面であっても、開示請求の対象になることが
ありますから、ぜひ知っておきたい知識です。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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