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2022.04.28

税務調査の理由や必要性を問うべきですか?

※2021年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎週金曜の本メルマガでは、税務調査を体系的に理解する
内容を連載で解説していますが、今回は事前通知の際などに
税務調査に入られる理由を問うべきか?について解説します。

税務調査の事前通知(調査通知)を受けると、
率直に聞きたくなる(場合もある)のが
「なぜうち(の顧問先)に税務調査なんですか?」
という質問でしょう。

まず、質問検査権の規定である国税通則法第74条の2には、
「調査について必要があるときは」として税務調査の実施に
必要性の要件があることがわかります。

また併せて、事前通知を規定する国税通則法第74条の9
においては、事前通知の項目の1つとして「調査の目的」
(第三号)が定められていますので、調査官に対して
調査の理由や必要性を問うのは当然のことかもしれません。

調査官に「なぜうち(の顧問先)に税務調査なんですか?」
と問うても、返ってくる答えは決まっていて、
「申告された所得および税額に間違いがないかを確認する」
というもので、調査の選定事由を教えてくれはしないでしょう。

実際に、国税庁サイトでも下記とあります。

税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
問18 事前通知の際には、なぜ実地の調査が必要なのか
についても説明してもらえるのですか。
(答)
法令上、調査の目的(例えば、提出された申告書の記載内容を
確認するため)については事前通知すべきこととされていますが、
実地の調査を行う理由については、法令上事前通知すべき事項
とはされていませんので、これを説明することはありません。

目的は形式に言うが、理由は言わないというのは
もはや禅問答のようなものですね・・・

上記のように、通常の(事前通知ある)税務調査においては
理由などを問うことは意味がない(決まった回答しかない)
ことになりますが、無予告調査だと事情は変わってきます。

上記と同FAQの問21において
無予告調査であっても「法令上、事前通知を行わないことと
した理由を説明することとはされていません」とされていますが、
実務上はあえて無予告調査の理由は問うべきです。
その理由は、下記の過去メルマガをご覧ください。

「無予告調査の理由は開示されてなくても・・・」

さらに、反面調査ではむしろその必要性は問うべきです。
反面調査とは質問検査権の範囲内ですから、上記のとおり
「調査について必要があるときは」が要件となります。

反面調査の法的解釈やその範囲・手続きについては、
過去の判例等でもある程度幅がありますが、
「(反面)調査について必要があるときは」
実施できるのであって、反面調査の必要性がない
(=被調査者の調査で資料等がすべて提示されている等)
と判断される場合は、反面調査は実施できないと
考えるのが法律の文理解釈だからです。

反面調査の必要性については、併せて
下記の過去メルマガも参考にしてください。

「反面調査の必要性とは?」

全体をまとめると、調査理由・目的を問うことは、

・一般の(事前通知がある)調査=意味はない

・無予告調査=開示されなくても問う意味はある

・反面調査=必要性を問うべき

ということになります。

質問検査権を詳しく知ると税務調査立会いに
強くなれますので、ぜひ上記を理解してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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