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2015.04.09

税務調査は犯罪捜査ではない

税務調査でもっとも気をつけるべき点は
「質問検査権」を理解したうえでの正しい対応です。

税務調査が進んでくれば、税法の解釈論もしくは
事実認定でモメるのでしょうが、税務調査の入り口段階では
税務調査の手続きでモメることが圧倒的に多いからです。

質問検査権を理解していなければ、

・質問検査証を見る意味が理解できていない
・キャビネや引き出しを勝手に開けられる
・パソコンを触られて嫌な思いをする
・無予告調査の対応方法がわからない
・反面調査に行かれ放題になる

など、起ってからでは遅いトラブルが発生することになります。

昨年寄せられた弊社への相談内容を分析すると、
4月と8月の、税務調査が始まったばかりの時期だけは、
圧倒的に税務調査に関するトラブルの相談が増えます。

さて、質問検査権は税法によって
規定されている内容が違うのですが、
実はすべて同じ規定が1つだけ存在します。

法人税法第156条
前三条の規定による質問又は検査の権限は、
犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

所得税法第234条
2 前項の規定による質問又は検査の権限は、
 犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

相続税法第60条
4 第1項及び第2項の規定による質問又は検査の権限は、
 犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

消費税法第62条
6 第1項(第2項において準用する場合を含む。)
 又は第3項の規定による質問又は検査の権限は、
 犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

つまり、どの税法でも共通して
「税務調査≠犯罪捜査」と規定されているわけです。

では、犯罪捜査とは何か?

犯罪捜査とは、相手方を犯人だとみなして、
証拠を発見・収集することです。

税務調査は法的に、納税者を「犯人扱い」することは許されず、
ましてや調査官が税務調査に臨む手続きは、
犯罪捜査のように広く認められているわけではないのです。

上記税法の規定は、質問検査権を包括的に規定するとともに、
犯罪捜査になりがちな税務調査に制限を加えています。

税務調査で調査官が、「犯罪捜査」まがいの行為・発言を
した場合は、この「法律(税法)」に基づいて
「違法行為」であることを主張してください。

 

※2012年3月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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