税務調査を受ける時期
気付けば確定申告も終わり、あっという間に4月です。
1つの区切りの時期なので、昨年度(2012年4月~今年3月)
私のところにあった個別相談事案を振り返ってみました。
(習得会での質問件数を除く)
相談件数としては、1年間で約50件なのですが、
相談時期を振り分けてみると非常に面白い結果になります。
春の調査時期:20%
秋の調査時期:80%
(単純な件数の割合です)
やはり、春の税務調査はモメにくいことが
数字上からも立証できています。
特に、秋の調査事案に関しては、
相談期間も長引いていることが特徴です。
私の個別相談は、相談を受けてから終わるまで
相談を受け続けているのですが、やはり秋の税務調査は、
調査官が延々と指摘を繰り返してきます。
また昨年度は、税務調査が数ヶ月続くことに対する
抗弁をしたいという相談が3件ありましたが、
どれも秋に開始された税務調査でした。
逆に、春にあった相談はどれも終了まで短かかった、
とも言えるのです。
さて、メルマガやブログを以前から読んでいる、または
私のセミナー等を受講されたことがある税理士は
もうご理解いただいているでしょうか・・・
国税が税務調査を行う時期は、
上期:7~12月
下期:1~6月
に分かれますが、下期は確定申告もあり、
実質的な調査期間は3月下旬から6月です。
しかも・・・7月は国税内は異動がありますので、
調査自体は6月の中旬に終わらせなければなりません。
これは調査官(税務署)側の都合です。
そう考えると、どうなるのか。
確定申告前に調査の予約が入って、
3月下旬以降にしてもらったような事案は別にして、
今の時期に予約が入る調査事案に関しては、
開始時期をもう少し遅らせることで、
モメた場合でも実質的な調査期間は短くなるのです。
私が顧問税理士であれば、今の時期に
調査開始にする(させる)ことはありません。
忙しい時期でも、あえて5月(GW明け)にしてもらいます。
こうすれば、6月中旬まで実質的に1ヶ月。
普通に終わる調査は別にして、
面倒な事案もこれで円満に解決することが多いのです。
モメたとしても、調査官の方から
「先生そろそろ・・・」と言い出してくるものですから、
実体験してみるとなかなかおもしろいものです。
この事実は、冒頭に挙げた
弊社への個別相談の件数からも明らかです。
春の調査はそもそも時期が短いため
モメにくいのですが、さらにその時期を
コントロールすることが可能なのです。
「税務調査に強い」と標榜するには、
調査を開始する時期まで考えることです。
国税の内部事情を知ると、税務調査を受けるべき
時期までわかるのです。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
2013年4月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。