税務調査を税理士事務所で受ける
※2016年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
勘違いされがちなのですが、税務調査を受ける
場所というのは法律上、何も規定されていません。
ですから、税務調査を受ける準備がある
(帳簿や原資資料が用意されている)
場所であれば、どこでも構わないことになります。
よくあるケースでは、飲食店など顧客がその場に
いるような事業所では、あえて自宅で調査を
受けることも可能ということです。
私が推奨しているのは、事業所でも自宅でもなく
「税理士事務所」で調査を受けることです。
税理士事務所で調査を受ける場合、
帳簿等の保管がなければ移送しなければならない
という手間は増えますが、その分だけ
メリットも大きいはずです。
まず、納税者(顧問先)の心理的負担が減ること。
一般の納税者は、税務調査をともかく
怖いものだと感じていますので、税理士事務所で
調査を受けるとそれだけで安心するものです。
また事業所自体が小さい場合、調査での
やり取りが従業員に聞こえてしまったり、
調査官が勝手に従業員にヒアリングを始める
ということも防ぐことができます。
一方で、調査官の中には、税理士事務所での
調査を嫌がることもあります。
調査官からすれば、事業所内を見ることで
何かとっかかりを見つけたいと考えているので、
税理士事務所では困る、という思惑があります。
調査場所を税理士事務所に指定し、
調査官が嫌がった場合、事業所にして欲しいと
言ってきた場合は「まず」質問検査権を規定する
法律等に調査を受ける場所の規定がない、
ということを主張する必要があります。
また、合わせて帳簿等の準備は
税理士事務所できちんと用意する旨を
伝える必要があります。もちろん、
調査時に帳簿等の用意ができていれば大丈夫です。
(常に税理士事務所内で保管している必要なし)
さらに、特殊事情があれば伝えるべきでしょう。
・事業所スペースが狭い
・顧客等がいるので対応ができない
などが合理的理由になります。
税理士事務所で調査を受けると、調査官が
「事業所を少しでも確認したい」と
言い出すことがありますが、そこは
柔軟に対応すべきかと思います。
あくまでも、税理士事務所で調査を受ける
理由が「調査官に見せたくないものがある」
では、調査拒否と受け取られる可能性もあります。
すべての調査というわけにはいきませんが、
できる限り税理士事務所で調査を受けた方が
顧問先も喜ぶはずです。
調査官への切り替えしも含めて、
上記をぜひ実践してください。
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