税務調査終了の時期について
≪税務調査終了の時期について≫
通常多くの会社は4月をもって年度初めとし、
この時期に異動があるため3~4月にバタバタするのが常です。
しかし国税の年度は通常の会社とは少しズレています。
国税の年度初めは毎年7月10日。
国税内部が最もバタバタする時期は6~7月なのです。
7月10日をもって調査官は国税局や税務署に異動するのですが、
この人事異動の発表は6月30日に一斉に行われます。
管理職である統括官をはじめ、現場の人間は6月30日の発表まで
誰がどこへ異動になるのかわかりません。
もし異動先が自宅から遠くなく転居をともなわなければ、
前日の7月9日までは今の税務署で働き、
7月10日からは異動先の税務署で働くことになります。
ここで1つ問題点。調査官には引継ぎという業務がないのです。
例えば、渋谷税務署から新宿税務署へ異動になる場合、
7月9日までは渋谷税務署で働き、10日になったら新宿税務署に出勤することになります。
通常引継ぎ期間などがあり、数日異動前の税務署に通ったりするものですが・・・
調査官にはそれがありません。だから、もし異動になっても問題のないように、人事異動の前に自分の担当している税務調査をすべて終わらせなければならないのです。
統括官からは余裕をもって6月中旬には全ての税務調査を終了するように指示が出されます。
そのため、6月中旬が迫ったこの時期になってくると、
調査官が強硬な手段に出てくることがよくあります。
修正申告で決着できそうもない案件については、この時期に更正という強硬手段を選択することも十分考えられるのです。
税務調査を受ける際は、この強硬な姿勢をどこまで退けられるかが
大切になってくるのです。
税務調査を無事に終わらせるため、調査官側としても更正をしたくないので、修正申告で終わらせたいと思っています。
この場合に、税務調査の「落とし所」をみつける交渉をすることができます。
ただ調査官としては、調査を無事に終わらせたいという思いもありますが、最終的には更正という手段があるので、落とし所を見つけるのが難しい作業になります。
とはいっても交渉の余地は絶対にあるのです。
今の時期、税理士の皆さんは大変だと思いますが、
更正されずにいかに修正申告で済ませるかがポイントになりそうです。
※2009年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
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