税理士事務所への実態調査
※2016年8月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士事務所に対する実態調査は、税務署から
電話連絡があって、「1~2時間のみ」で
設定されることが多いようです。担当は
調査官ではなく、総務課の税務署職員になります。
よく聞かれるのですが、税理士事務所の選定基準は
明確にはなく毎年税務署管内の税理士の○%(=○○件)
に対して実施するという取り決めがなされています。
もちろん毎年のように行われるものではなく、
一度入れば二度目はそうそう入るものではありません。
さて、実際に確認される事項ですが、
絶対的確認事項として「業務処理簿」が挙げられます。
業務処理簿がない場合であっても、直ちに
処分の対象になるというわけではないようですが、
税理士法の規定には反しているわけですから、
事前に作成しておく方がいいでしょう。
全件作るのが不可能であっても、一部だけ作成し
その部分を見せるなど、最低限の事前措置は
すべきだと考えます(もちろん常に全件
作成すべきものではあるのですが・・・)
税理士法第41条:帳簿作成の義務
税理士法第55条:監督上の措置
なお、業務処理簿の詳細を知りたい方は
下記を読んでください(要ログイン)。
http://www.nichizeiren.or.jp/member/data-library/business/check_list/
上記URLのとおり、業務処理簿は日税連が
公表している標準様式が存在するのですが、
実態調査の中では様式の使用を問われるわけではなく、
顧問先とのやり取り等、適宜記録を残していれば
別紙やデータでも認められるようです。
また、業務処理簿以外の確認事項として、
下記が挙げられます。
・税理士事務所の看板の設置
・申告書の署名押印を税理士自らが行っているか
(税理士印の管理状況)
・電子申告のカードの保管状況
(無資格者の職員が行える状況かどうか)
・顧問先との契約書の締結状況
(内容の確認はなく、有無の確認)
・外注の状況(非税理士との提携禁止)
・顧問先からの資料や申告書控えの保管状況
今後はマイナンバーの情報管理状況も
確認されるようになるのかもしれません。
税理士法違反を疑われている場合を除いて、
一般的な実態調査においては、ある程度浅い
ヒアリングベースが主となります。
そこまで心配することはないかと思いますが、
上記項目で明らかな違反がある場合は、
事前に是正しておく必要があります。
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