立証責任は誰にある?
今回のテーマは「立証責任は誰にあるのか?」です。
≪立証責任は誰にある?≫
国税調査官の中でもかなり勘違いしているポイント。
それは税務調査における立証責任は誰にあるのかという問題です。
税務調査で争点となりやすい接待交際費を考えてみましょう。
接待交際費の否認理由の多くは、「事業関連目的での支出ではないため」というもの。
社長の自宅近くでの飲食を接待交際費に計上している場合に「プライベートでは?」と指摘される、また「ゴルフは遊びではないのか?」という指摘が主なものでしょう。
このような場合、調査官は社長に「これは誰と行ったものですか?」「手帳を見せてください」などと証拠を探そうとします。
もちろんプライベートで行ったものであれば明らかに損金(または必要経費)にならないので、否認材料として認めるべきですが・・・
ここで注意していただきたいのは、指摘を受けた事項が本当に事業に関連する支出の場合、過去の予定がわかるものを残していないと調査官に否認されそうになるケースです。
手帳が残っていなくても、記憶に残っていればまだ反面調査に行ってもらうことで問題回避できるのですが、全ての予定を覚えているなんていうことは現実的ではないわけです。手帳が残っていない場合に、勘違いしている調査官は
「事業関連目的での支出だと明示できないなら否認します」と
言ってくるケースがあります。
これは税理士として認めてはなりません。
なぜならその支出が本当に事業目的に関連するかしないかどうかの立証責任は国税側にあるからです。
税務調査において否認するからには、否認するための根拠が必要であり、その根拠は国税側が立証しなければなりません。
調査官によってはこの点を理解せず、立証責任自体を納税者側に求めるケースが多いように思いますが、これは明らかな間違いです。
税理士としてはクライアントを守る上でも、国税側に立証責任がある旨を伝え、否認するなら事業目的外での支出であることを調査官が立証するよう主張してください。
※2009年4月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
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