2015.06.12

締日を考える

この時期の税務調査は、調査官の方から否認項目を
取り下げてきたり、〇〇日までに修正申告して
もらわないと困る、と言い出す場合が多くあります。

普段はないこのような調査官の行動を理解するには
締日(しめび)を知っておく必要があります。

まずその前に、事務年度を知らなければなりません。
国税は税務調査などの実施を、7~12月の上期、
1~6月の下期に分けています。

調査官ごとに割り振られる税務調査の件数も
上期と下期で分けてカウントしています。

ですから、大きな事案などでなければ基本的には
年越し(下期にまたぐ調査)はしないわけです。

さて「締日」というのは、「この日までに修正申告書等を
処理しなければ、当月分の処理とみなしませんよ」
という日になります。

どの税務署も同じ日という保証はありません。
なぜなら税務署の内部事務ごとに決めているからです。

なぜこのようなものを設けているかというと、
税務調査の結末を前提に書くと、

税務調査⇒修正申告の慫慂(更正でも同じです)
⇒KSK(国税総合管理システム)への入力
⇒調査ファイルの作成
 (KSKの入力内容も合わせてチェック)
⇒統括官の決裁
 (金額によっては副署長以上になります)
⇒1部門(内部事務)への回付
⇒加算税・延滞税の起案
⇒徴収部門との連携
 (KSKが基本ですが、税務調査の場合加算税が
 かかるので、その確認等もしています)
⇒修正申告書の編綴

という長い道のりがあります。

徴収部門への金額の決定をもってして、内部的には
修正申告書等を処理したことになるわけなのですが、
調査官が修正申告書に収受印を押してもそれだけで
終了にはならないので「締日」というものを設けています。

締め日は毎月20日前後に設定されていますが、
申告書の件数や内部事務の人員が多い少ない
などによって、設定日は違います。

さて、今月(12月)の話に戻りますが、
今月は年末休みがあることによって、
締日が中旬(15日前後)に設定されています。

ですから、調査官としては12月10日くらいまでに
修正申告書を提出してもらわなければ
上期の税務調査にカウントされなくなるのです。

事務年度の締日を知っているだけで
税務調査の対応が変わりますのでぜひ注意してください。

 

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2012年12月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

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