調査官の情報収集活動とは?
こんにちは。久保憂希也です。
このメルマガは、元国税調査官の私、久保憂希也が、
毎週、最新の税務調査対策や裏情報をお届けします。
第23回、今回より『調査官の情報収集』をテーマに、
調査官の地道な活動実態について
具体的な事例と共にご紹介して参ります。
これからは「個人の副業」に対して
かなり調査が厳しくなることが予想されます。
最近では、インターネットでのアフィリエイトや情報商材など
会社員でありながり、副業で利益を上げている方も少なくありません。
私が調査官だった頃の2001年。
税務署にはパソコン自体がまだありませんでした。
当時、パソコン・インターネットに知識のある調査官は殆どいません。
私は個人的にホームページなどの作成をしていたので
サイト制作業者などをよく調べていたものです。
その頃、流行っていたのがバナー広告です。
広告を制作している業者自体は、大変真面目に申告をしています。
広告制作業者に入る税務調査は仮の名目で、実は本当に調査したいのはその顧客。
まずは業者から膨大な顧客リストを引き上げてきます。
そこに掲載されいる対象者をKSK(国税総合管理)のシステムを利用して彼らがきちんと確定申告をしているのか調べていきます。
住民税に関して、市や区の役所に問い合わせをすると普通にシステムエンジニアとして年収360万円だと源泉徴収票からわかる方でも、分不相応なマンションを購入していたなどの情報を入手します。
当然、登記の情報は法務局にも上がってきますが、個人のケースでも
市や区では固定資産税についの申告を受けていますので、誰がこのマンションの所有者なのか、簡単に調べることができます。
すると年収360万にもかかわらず6,000万円のマンションを購入しているのです。
さらに銀行を調べていくと、ローンも組まずにキャッシュで買っています。
まずあり得ない話です。
バナー広告などは、複数社を利用しているケースが殆どですので
1社のみの利益を申告したからといって、とても信用できる数字ではありません。
2~3の業者からリストを調べていけば、
共通した対象者はずぐに浮かび上がってきます。
A社でトントンくらいの収支でも、B社で大きな利益を得ていることは
よくある話なのです。
調査官は何も大口の内定調査ばかりをしているのではなく、
個人の申告漏れを防ぐため、いろいろなところから常日頃、
情報収集を行っているのです。
※2009年9月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。