調査官の職歴を調べる
今回のテーマは、『調査官の職歴を調べる』です。
税務調査の事前対策で大事なことは、調査官の職歴を調べることです。
調査官はあくまでも人間。人間である限り、個性も調査手法も違います。
調査官の人間性を事前に知って対策をたてることは不可能なのですが、それでも知っておくべきは職歴です。
調査官と一言で言っても、職歴にはかなりの違いがあります。
・総務経験が長く、実は調査経験が少ない
・長く研修生活をしていて、税法理論に強い
・資料調査課や査察出身で、調査の当たりがキツい
・(退職後の)嘱託の調査官だった
これだけでも、職歴を知っておけば対応方法を変えることができます。
特に下記2点には注意が必要です。
①交流
現在法人課税部門にいるが、
実は個人課税部門出身者ということはよくあります。
これは一般的に「交流」と呼ばれており、2~3年の期限付きで、
他部門で仕事をすることです。最近になって交流は増えています。
交流の調査官は、税法も調査のやり方もわかっていないことがほとんどです。
交流の調査官だとわかれば、税理士が主導で調査を導くことで
大きな怪我をすることは少ないはずですが、逆にトラブルも起こりがちです。
何せ相手は税法もわからない調査官なのですから・・・
②統括官
税務調査で対峙するのは調査官でも、あくまでも
モメた場合に交渉すべき相手は統括官です。
調査官と終りのないやり取りをする税理士が多いですが、
それは明らかな間違いです。
決裁権を持っているのは統括官です。
ですから、調査官の職歴のみならず、
事前に統括官の職歴を調べておくことが重要です。
交流の統括官も存在します。
資料調査課や査察出身の統括官であれば、
交渉するのが難しいので調査官で済ませた方がいい場合もあるでしょう。
さて具体的に職歴を調べる方法ですが、
「10年職歴」がもっとも良いです。
http://www.zeikei-news.co.jp/goods_ten.html
これは各国税局ごとの職員録になっており、
調査官が過去10年間どこで勤務していたのかが明確です。
ただし、今年の事務年度(7月10日以降の配属)の反映分(最新版)は
10月以降にしか発行されないので、すぐに入手はできません。
「10年職歴」には2つ難点があります。
①職歴は10年分載っていて一覧性がありますが、
部門ごとの役割が記載していません。
どの部門が「特別調査班」などがわかりません。
②これはどの職員便覧でも同じなのですが、
間違いがあるので注意が必要になります。
誤植などではなく、ヒドい誤りも中にはあります。
この難点を逃れるために、『税務職員配属便覧』も合わせて購入することです。
http://www.np-net.co.jp/mn4_3_book.html
こちらは単年度の職員録になりますが、
「10年職歴」を補完するには最高の本です。
※2011年9月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。