調査対象は不動産に重点!
先日、東京の税務調査対策研究会の受講者の方から、
このような質問を受けました。
「最近になって不動産所得者へのお尋ねが集中しています。
何か意図があるんでしょうか?」
実はこの点、以前有料メルマガで配信しました。
今後は不動産所得者が狙われるという情報が、
課税庁から入っているので注意してください。
国税側の意図はこうです。
税務調査の手続きの厳格化で事務量は増えた
→しかし調査件数は減らさないことで確定した
(減らしたとしても少しのみ)
→調査に時間がかからない対象者をどんな業種か?
→不動産所得者・不動産管理会社を重点的に調査
→そのために7月からお尋ねを発送
これが全国的なものなのか、いまだ
そこまでは情報を得ていませんが、
東京国税局管内は間違いなく実施しています。
8月1日付の東京税理士会・会報誌では
このようなお知らせが載っています。
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東京国税局からのお知らせ
「不動産所得を有する方」に対する文書照会について
税務署では平成25年7月から「不動産所得を有する方」を対象として
「決算書(収支内訳書)の内容についてのお尋ね」や
「不動産の利用状況についてのお尋ね」などの照会文書を
送付することとしております。
つきましては、関与先の皆様にも照会文書が送付される場合がある
と思いますので、文書が送付された場合には、
回答に対する御協力をお願いいたします。
なお、文書照会(行政指導)に伴う自主的な見直しにより
提出された修正申告書等については加算税が減免されます。
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税務署ごとの判断により、どの程度不動産業種に
重点を置くかはある程度相違すると思いますが、
今期は確実に狙われる業種なので、事前に申告状況などの
確認をしておくことでリスクヘッジができると思います。
また「東京国税局からのお知らせ」にもある通り、
あくまでも「お尋ね」は「行政指導」です。
行政指導の場合は、下記2点に注意してください。
①回答(返送)はあくまでも任意
法定による提出義務はありませんので、
回答(返送)はあくまでも納税者の任意となります。
返送しなければ督促の連絡が来るかもしれませんが、
それはあくまでも要請(お願い)となりますので、
強制力はまったくありません。
②加算税は課されない
お尋ね書類を受け取った後、自主的な申告書の見直しの結果、
修正申告書を提出しても加算税は課されません。
(根拠条文:国税通則法第65条第5項)
また自主修正をすれば、わざわざ調査に入る確率が下がります。
今のうちに不動産は申告書の見直しが必要というわけです。
税務署の事務年度が変わり、本格的な税務調査の
時期が到来しました。今年から調査のトレンドが
変わりそうなので、情報入り次第、共有していきます。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
※2013年8月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。