2018.03.12

請願権を利用する

※2017年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

私は、税務調査でモメた場合に文書を提出することを
みなさんに推奨しています。

私が書く文書は「抗弁書」という題名にしていますが、
何もタイトルが重要なのではありません。
文書として提出することが大事なのです。

その文書の「効力」について解説しましょう。
まずは、その「法的」効力からです。

一般的にはあまり知られていない権利として
「請願権」というものが存在します。

憲法第16条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令
又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、
平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願を
したためにいかなる差別待遇も受けない。

この憲法の条文を受けて、
「請願法」なる法律が存在します。
全6条しかない法律ですので、
ぜひ目を通していただきたいと思います。

請願法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO013.html

ここにある通り、「請願」とは。

○文書でしなければならない

○請願の文書は受理される

○請願内容は(いったん)検討される

という効力のあるものです。

何が言いたいかというと、税務調査などで
国税に対する見解があるとするなら、
文書を書いて提出すると「請願権の行使」
として取り扱われて効果大、ということです。

税務調査の現場で大切なことは
「調査官に面倒だと思われる」ことです。

調査官は、税務調査を行う上で
対面している相手が「楽勝」と思えば
それに乗じてくる傾向があります。

逆に言えば、「面倒だ」と思われれば
税務調査の対応はより簡単になってきます。

税務調査は基本的に口頭で行われるがために、

・やり取りが煩雑になる

・納税者の言い分が受け入れられない可能性が高い

という傾向がありますが、文書にすれば

○論点が明確になる

○(口頭とは違い)その文書は国税内で
検討の対象となる(統括官・審理を含めて)

○調査官が面倒だと感じる

という効力があります。

調査官が請願権や、請願法なる法律を
知っている可能性は低いのですが、
それでも文書にして主張・反論を提出すれば
口頭での主張・反論よりも効果があるのは
間違いない事実です。調査官が請願権・請願法
を知らない場合は、それを合わせて
伝えることも重要です。

調査官も組織に帰属するサラリーマンです。
調査現場での納税者の主張が、
上司である統括官にすべて報告・共有
されているわけではありません。

むしろ都合の悪い話ほど、上に
上がっていない可能性の方が高いのです。

一方で、文書を提出すれば、それを
税務署内で共有しない調査官はいません。

すべての税務調査で文書を作成すべき
だとは思いません。そんなことをしていれば
面倒ですし、時間のムダになることも多いでしょう。

しかし、モメた場合に調査官と口頭で
ひたすらやり取りするのもムダでしょう。

そういう時こそ、あえて文書を書いて
税務署に提出すべきなのです。

国税に文書を提出したことがあれば
その効力はわかるはずです。ぜひ、
文書提出の効力を知っていただきたいのです。

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一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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