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2021.10.22

貸倒損失:時効期間は何年なのか?

※2020年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

本メルマガ金曜では「貸倒損失」について
取り上げていますが、今回は「時効の年数」。

改正民法の施行が今年4月1日にあり、
その点も含めて解説しますが、ここ数年間の
税務処理および税務調査ということであれば、
旧民法・商法の適用が多いと思いますので、
適用時期を中心に解説します。

まず、改正後の民法による時効年数ですが、
原則として【5年】と認識してください。

これも債権者が、債権が発生していることに
気付いていない場合は10年なのですが、
通常の商取引ではあまりなく、かつ
貸倒損失という観点からすれば、
債権として計上していたものを貸倒損失
として処理するわけですから、気付いていない
という状況はない、と考えることができます。

では、旧民法と新民法の時効年数の適用は、
何を基準に判断するのでしょうか。

これは「債権の原因となった法律行為」が
施行日である今年4月1日の前か後かで
判断することになります。

商品売買の売上・売掛金で考えると、
商品の発注を受けた(契約)時が
「債権の原因となった法律行為」です。

今年3月中旬に発注を受けて、4月上旬に
出荷(売上・売掛金を計上)し、代価の
支払期限が5月末であっても、
旧民法が適用されることになります。

もちろん役務の提供であっても同じで、
契約締結時が起算点になりますし、
支払期限(弁済期)は判断要素になりません。

では、旧民法における時効年数は
何年になるのでしょうか。

旧民法では、民事債権は時効が10年
と定められながら、商事債権については
「原則」5年とされています
(民法改正により、民法と商法の
時効期間が合わされたということです)。

また、商事債権の時効が原則5年と
しながらも「短期消滅時効」が存在し、
時効年数が「2年」などの債権もあり、
債権の種類によって時効年数が相違します。

この点については、過去のメルマガで
取り上げていますので下記をご覧ください。

「商事債権の時効2年はウソ!?」

コロナショックにより、今後は
貸倒損失の処理が増えると思いますが、
改正民法の施行日をまたがる時期です。

時効期間・年数については
理解・認識を誤らないでください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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