質問検査権を楯にしてきたら
今回のテーマは『質問検査権』についてです。
『調査官がパソコンを見せなさい!と言ってきたら、どこまで応じるべきか?』
と先日、ある税理士からご質問を頂きました。
最近、経理上のデータをパソコンで管理をされている方も多いと思われます。
いくら税務調査だからと言って、自由にパソコンを見る権限はあるのでしょうか?
答えは、”No”です。
経理のデータも保管されてはいますが、同時に個人のプライバシーや
業務のノウハウなど流失しては困る情報もその中にはあるのです。
「そんなこと聞いたことがない。必要な書類は印刷してお渡しします。」
とその税理が返答すれば
「それは先生がご経験がないだけで、どこでもやってますよ!
我々には質問検査権がありますので、パソコンの中身を見る権利があります。」
とその調査官はたたみかけるようにさらに要求してきたそうです。
確かに質問検査権とは、調査官が納税者に対して
税務調査に関する質問や調査をする権限のことです。
必要に応じて事業に関する帳簿書類やその他の物件を調査することができます。
しかし、だからと言ってパソコンを自由に見せろ!とはおかなしな話です。
プライベートなこともあるので、とかなり抵抗したそうですが
「会社が所有するパソコンである以上、個人の所有物ではない」
「関係のないデータかどうか判断するのは、我々が決めることです」
などと反論され、結局、社長と経理担当者のパソコンを見せたそうです。
もし、こういったケースに遭遇した場合は、拒否して何ら問題ありません。
課税の公平があるように、調査にも公平性があって当然です。
パソコンを自由に閲覧することは、質問検査権の範疇を超えています。
なぜ、見る必要があるのか、その理由をきちんと説明させて下さい。
それでも聞きわけのない人である場合は、
その調査官の上司にあたる統括官や総務課長に苦情の申し入れをして下さい。
税務調査はあくまで、”調査”であって、”捜査”ではありません。
※2009年12月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。