配当所得の申告不要と是正措置
※2019年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
個人の確定申告をするうえで、金融所得課税
については、非常に複雑になっているため、
注意が必要なのですが、今回のメルマガでは
配当所得の注意点について解説します。
配当所得には申告不要制度があります。
「利子所得と配当所得の課税方法」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/b/03/order2/yogo/3-2_y01.htm
この申告不要制度のやっかいなところは、
申告不要な配当所得をいったん申告した場合、
更正の請求などで是正できないことです。
措置法通達8の5−1
措置法第8条の5第1項に規定する利子所得の金額
又は配当所得の金額を総所得金額又は
同法第8条の4第1項に規定する上場株式等に
係る配当所得等の金額に算入したところにより
確定申告書を提出した場合には、その後において
その者が更正の請求をし、又は修正申告書を
提出する場合においても、当該利子所得の金額
又は配当所得の金額を総所得金額等の計算上
除外することはできないことに留意する。
ですから、配当所得についてはそもそも
申告不要を選択するのかは非常に重要です。
さて、次に誤りやすい事例として、
上場株式等の配当等を、申告分離にするか
総合課税にするのか、の問題があります。
申告分離課税を選択して確定申告をした場合、
その後において更正の請求をし、
または修正申告をするときにおいても、
申告分離課税を選択することになります
(措置法通達8の4−1)。
つまり、選択の適用替えを後から
することはできませんので注意が必要です。
上記の点は非常に注意が必要で、例えば、
事業所得者で純損失がある場合は、
源泉分離課税による申告不要制度を選択せず、
あえて総合課税を選択した方が有利になります。
当初申告で誤った場合、更正の請求が
できないわけですから、【税賠事例】
となってしまいます。
「税理士損害賠償請求」
頻出事例に見る原因・予防策のポイント
【事例19(所得税)】
「上場株式等の配当等を、源泉分離課税による
申告不要制度を選択して申告したところ、
総合課税で申告しても純損失の繰越控除により、
合計所得がゼロとなるため、
総合課税が有利であった事例」
https://profession-net.com/professionjournal/income-article-94/
配当所得はミスが多く、更正の請求で
リカバリーできない(場合が多い)ので
ぜひ注意して申告業務をしてください。
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