重加算税と指摘されたらとりあえず問うこと
※2018年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
税務調査の最盛期で、かつ調査の進展がある
今の時期になると私への質問・相談で急増するのが
「重加算税」の問題です。
「重加算税と指摘されていますが、
どのように反論すればいいですか?」
ここでまず強調しておきたいのは、
重加算税と指摘された場合に、
とりあえず「その根拠を聞く」ことです。
これは、重加算税の課税要件を知っているか、
詳しいかに関係なく、【とりあえず】
調査官に問いただすことが大事です。
「重加算税と指摘されましたが、
その根拠は何ですか?」
重加算税の課税要件を一言でいえば
「隠ぺいまたは仮装」行為があったかどうか。
(国税通則法第68条)
上記のように調査官に問うた際に、
「隠ぺい」か「仮装」という言葉が
出てこなければ重加算税の課税要件を
満たしていないことになります。
私に対する重加算税の質問・相談の中で、
調査官が重加算税と指摘しているだけで、
何も根拠を明示されていないものが、
その半分以上であることが実体です。
根拠も知らない中での反論はあり得ません。
さらに、調査官が具体的に
「○○の行為が仮装・隠ぺいに該当します」
と言われたら、その行為が仮装にも隠ぺい
にも該当しないことを反論することになります。
隠ぺい・仮装が具体的にどのような行為を
指すのか、あくまでも事実認定によりますが、
大事な基準としては事務運営指針があります。
「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/hojin/100703_02/00.htm
※上記は法人税ですが、各税目ごとに
重加算税の事務運営指針が存在します
また、隠ぺい・仮装行為は「故意にした」
という基準で判断することになりますが、
それについては、私の過去記事をご覧ください。
「わざとじゃない仮装・隠ぺいがあり得るのか!?」
http://mmct.jcity.com/?c=9554&e=PsbfSqM8AtKrkS2BjT%3B2Ug11
全体をまとめると、
重加算税と指摘された
⇒
「なぜ?」とその根拠を問う
⇒
「仮装」「隠ぺい」という根拠に至らなければ
その時点で重加算税の課税要件は満たさない
⇒
「仮装」「隠ぺい」と指摘された場合、
その「故意性」から反論する
ということになります。
すべての否認指摘にはその根拠があって
然るべきなのですが、重加算税の場合は
特に根拠を明示されないケースが多いので、
ぜひ「とりあえず」根拠を問うてください。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。